Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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博物館学 II 鈴木  稔
選択  2単位
【教育】 14-1-3083-1961-09A

1. 授業の内容(Course Description)

 博物館園(動物園・植物園なども含む)は外の世界から切り離されて存在するわけではなく、「ヒト」や「情報」がさかんに出入りしている。博物館資料を博物館・美術館その他施設に将来収蔵・展示される可能性があるものと考えれば、歴史資料や美術作品ばかりでなく、無形文化財、生活用具、生産現場、建造物、土木構築物、町並み、自然環境などあらゆるものが博物館資料論の対象となりうる。「モノ(資料・作品・標本・生きた動植物など)」もまた博物館園の内と外をつないでいるのである。
 このような観点から、なるべく身近な事例を取り上げ、博物館資料の基礎概念とその収集・保存・修復・展示・調査研究について幅広く講義を行なう。なお、スライド画像等を多用して理解しやすい授業をめざす。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 博物館資料の収集・登録・整理等に関する基本的知識を習得する。
 博物館資料の諸性質とその取扱い技術について理解する。
 博物館の調査研究活動について理解し、地域における文化的活動に博物館という立場から積極的に参加できる力を養う。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 2/3以上の出席とレポート提出は必須条件(60%)。レポートの内容(40%)を合わせて成績を評価する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストとして教場にてプリント配布する。
 参考文献は適宜指示する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 この授業であつかう「博物館」には歴史系博物館、郷土資料館、美術館、文学館、科学館、動物園、植物園、水族館、昆虫館等が含まれます。それらに日常的に通うことがなによりの準備学習になるのですが、なかなか実行は難しいかもしれません。そこで次善の策として、ネットを利用して「博物館」や展覧会の情報に触れることを勧めます。授業内容の確認・定着のためにもネットを有効に使って下さい。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 前項ではネット利用を勧めましたが、博物館・美術館に実際に足を運ぶことは授業内容についての理解を深めるのに役立つばかりでなく、人生の楽しみを増すことにもなります。また、展覧会やイベントにも積極的な関心を持ってほしいと思います

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 オリエンテーション
 博物館資料論の意味-何がどのようにして博物館資料になるか
【第2回】
 美術館コレクション1 美術コレクションの成り立ち
【第3回】
 美術館コレクション2 美術作品の収集・登録・整理 
【第4回】
 資料各論1 美術品の分類 絵画
【第5回】
 資料各論2 彫刻・工芸
【第6回】
 資料各論3 印刷用原画・写真ほか
【第7回】
 資料各論4 典籍・古文書・公文書・図書
【第8回】
 資料各論5 歴史・考古・民俗・民族資料
【第9回】
 資料各論6 映画・パフォーミングアーツ・スポーツ
【第10回】
 資料各論7 建造物・町並み・近代化遺産・文化的景観
【第11回】
 資料各論8 生物・鉱物・天体・近代製品
【第12回】
 収集~活用の流れ1 実物資料
【第13回】
 収集~活用の流れ2 2次資料・メタデータ
【第14回】
 博物館資料に関する諸権利と博物館危機管理
【第15回】
 まとめ-百年後の博物館と学芸員の役割