Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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法哲学B 長谷川 陽子
選択  2単位
【法律】 14-1-1210-3842-02

1. 授業の内容(Course Description)

法哲学における市民社会論を扱います。実定法の内実を規定する論拠や法学の周縁問題に関わる事象を扱うことによって、各人の法哲学的な思考を養うとともに、現代社会の諸問題に向き合うための思考を紹介します。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

法の基礎となる思想について概括的理解をすることができる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

学期末の論述式試験(80%)を中心に評価します。出席確認を兼ねた感想シートを配布し、内容に応じて加点(20%)をします。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

テキスト:適宜レジュメを配布
参考文献:今井弘道編『新・市民社会論』風行社、2001年
     田中 成明、竹下 賢、深田 三徳、亀本 洋、平野 仁彦 編『法思想史』有斐閣、1997年
     竹下賢・角田猛之・市原靖久・桜井徹編『はじめて学ぶ法哲学・法思想―古典で読み解く21のトピック』
     ミネルヴァ書房、2010年
     その他参考文献については、随時お知らせします。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

授業の該当箇所の教科書とレジュメ内容などの予習・復習を行ってください。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

講義中は、他人への迷惑行為および私語を禁じます。退室をお願いすることがあります。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】イントロダクション:全体の概観 法哲学Ⅱの問題設定と概要の説明
【第2回】自然状態と自然権:共同体と個人の関係-古代ポリスの世界観
【第3回】人間と法:神から人への移動-プラトン、アウグスティヌスの思想
【第4回】罪悪とは何か:法と道徳との異同について考える。
【第5回】実定法秩序:共同体の社会システムとしての法。
【第6回】公的空間と私的空間:公共性とは何か-カントを手がかりに
【第7回】力と法:権力と暴力の構造-アーレント
【第8回】自然法の諸課題:自然法は万能か-現代の諸問題とのギャップ
【第9回】市民社会と法:世界の中で人と共に生きること-J.S.ミル
【第10回】国家をめぐる課題:国際化の中での国家の役割を考える。
【第11回】同一性と差異:異質な他者への関心と人が平等であるという構造について。
【第12回】共同体と個人(1):私とは何か-ハイデッガー、ヤスパース
【第13回】共同体と個人(2):世界の中で自律的に生きること-カント
【第14回】市民社会論:社会の中で、人には何が可能であり、何をすべきなのか。
【第15回】全体のまとめ:人と社会全体が直面する問題を再考する。