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授業の内容(Course Description) |
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公衆環境衛生学Ⅱ・Bでは、衛生・公衆衛生や環境衛生で取り扱われる分野の中から、一般環境や労働環境に存在する化学物質の健康影響リスクとその対策に重点をおいて解説する。健康障害リスクとはどのような概念か、環境中や食品中の基準値はどのように設定されるのか、リスクの評価と管理はどのように実施されるのか、有害性情報伝達のための国際標準(GHS)とは、といった内容を紹介する。後半では、化学物質曝露と健康影響の因果関係を明らかにするために用いられる疫学的方法と統計学的判断について解説する。また、動物実験で有害性評価を行なう場合の問題点について、環境化学物質の発達神経毒性に関連した話題を提供する。公衆環境衛生学Ⅰ・Aとともに履修することが望ましいが、公衆環境衛生学Ⅰ・Aが未履修でも理解可能な内容とする。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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化学物質による健康障害リスクの評価と管理に関する考え方について理解する。有害性情報を理解するための基礎的知識を学習する。環境保健問題について科学的に考える基礎を身につける。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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評価は、原則として期末試験によるが、出席状況や授業態度も加味する(私語等、他の学生の授業の妨げとなるような問題行動があった場合は、随時確認・記録をして評価時に相応の減点をする)。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献1: 『学生のための現代公衆衛生学』 中村泉編 南山堂 2014 参考文献2: 『医学的根拠とは何か』 津田敏秀 岩波新書 2013 参考文献3: 『有害化学物質の話』 井田徹治 PHPサイエンス・ワールド新書 2013
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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上記参考文献に目をとおして自分なりに考えておくことが望ましい。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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化学物質による健康問題について常に関心を持つよう努めること。私語等、授業の妨げとなるような行動は厳に慎んでもらいたい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 化学物質と健康障害 【第2回】 毒性発現と曝露レベル: 量-影響関係・閾値等 【第3回】 化学物質のリスク評価1: リスク評価の基本 【第4回】 化学物質のリスク評価2: 国レベルでのリスク評価 【第5回】 化学物質のリスク評価3: 事業者が実施するリスク評価 【第6回】 危険有害性情報の理解1: 有害性表示の読み方(GHSの基礎・急性影響) 【第7回】 危険有害性情報の理解2: 有害性表示の読み方(GHSの基礎・慢性影響) 【第8回】 健康影響をどのようにとらえるか1: 疫学1 【第10回】 健康影響をどのようにとらえるか2: 疫学2 【第11回】 健康影響をどのようにとらえるか2: 疫学3 【第12回】 健康影響をどのようにとらえるか3: 統計学的判断1 【第13回】 健康影響をどのようにとらえるか3: 統計学的判断2 【第14回】 健康影響をどのようにとらえるか4: 動物を用いた研究 【第15回】 復習と総括
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