Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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リゾート開発論B 河野 正光
選択必修  2単位
【観光経営】 14-1-1130-2658-26A

1. 授業の内容(Course Description)

 日本では「総合保養地域整備法(リゾート法)」(1987年)が制定され、国・自治体・企業が一体となり、リゾート開発が進められてきた。しかし欧米にみられるような大規模かつ本格的なリゾート開発に比べれば、日本のリゾート開発の歴史は浅く成熟していない。
 余暇生活の充実、地域振興の目的・手段として本格的なリゾート開発が進んできたが、時代の流れとともにリゾートのあり方が大きく変化しているのも事実で、今日では時代に合ったリゾートの新しい再編・整備が大きく求められている。
 「東京ディズニーリゾート」「ハウステンボス」等、従来のリゾートのイメージとは異なる事業形態も活況を呈し、大人気となっている。
 一方でリゾートホテル・旅館の再生事業、タイムシェアによるリゾート宿泊ビジネス(会員制)、魅力的なリゾートタウン・観光まちづくり、統合型リゾート(カジノを中心とした複合施設)・クラインガルテン(菜園付き宿泊施設)等の動きも新たに生まれ、新しい展開や検討中のところも数多くある。
また、客船クルーズ、リゾートウエディング事業、ショッピング(アウトレット)事業等も活況を呈している。
 今後は、リゾートに対する新しい需要への対応、観光整備と環境問題、自然との共生が重要課題になってくる。
 本講座では、「魅力あるリゾート地とは?」をテーマに、国内外のリゾート地を事例研究する中から、その魅力の要件および今後のリゾート整備のあり方を多角的に研究していきたい。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 秋期ではリゾート施設の整備の意義と役割、魅力あるリゾートの要件、日本および世界のリゾート開発・整備、リゾート開発の具体例、新しいリゾートの動き(会員制リゾートホテル、統合型リゾート=カジノ、クラインガルテン=菜園付き宿泊施設、客船クルーズ、リゾートウエディング、アウトレットモール)等についての理解を目標としたい。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業への出席・発表状況を50%、期末試験・レポート結果を50%として総合的に評価する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは使用しない。毎回、テーマに応じた講義プリントを配付する。
 参考文献:『リゾート開発計画論』丸田頼一 著(ソフトサイエンス社)
      『国土計画 地域開発と観光リゾート計画』石井 一郎 著(鹿島出版会)
      『リゾート再生と地域振興』土肥健夫 著(学芸出版社)
      『ディズニーリゾートの経済学』栗田房穂 著(東洋経済新報社)ほか

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 前週に資料収集(インターネット・専門誌・書籍等から)の内容を連絡するので、準備して授業に臨むこと。
 また、授業の最初に「前回の授業のポイント」を発表してもらうので、よく復習しておくこと。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 インターネット・新聞・雑誌・書籍等を通して社会の出来事に強い関心を持ち、自分の目・頭で問題を整理し、対処法を考えることが重要。
 講義は一方的にならないようにしたいため、積極的に発言・発表してほしい。
 多くのリゾートを事例研究したいので、興味のある国内外のリゾート地の研究発表を期待したい。(成績加点)
 発表によって、社会人基礎力として必要なプレゼンテーション能力の養成につなげたい。
 授業中の私語に対しては厳しく対処するので十分注意してほしい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 授業方針・講義計画説明
【第2回】
 テーマリゾート(ディズニーリゾート)は、観光地かリゾート地か?(全員討論)
【第3回】
 リゾートと観光地の違いとは? リゾートの今日的意義
【第4回】
 日本に統合型リゾート(カジノを中心とした複合施設)は必要か否か?(全員討論)
【第5回】
 リゾート開発事例研究(海洋型リゾート)
【第6回】
 リゾート開発事例研究(山岳・高原型リゾート)
【第7回】
 リゾート整備の方法(Part.1 事例研究)
【第8回】
 リゾート整備の方法(Part.2 事例研究)
【第9回】
 日本のリゾート開発・整備(事例研究)
【第10回】
 世界のリゾート開発・整備(事例研究)
【第11回】
 リゾート開発における「マリーナ/ビーチ」整備の意義と役割(「みなとオアシス」政策)
【第12回】
 リゾート開発における「リゾートホテル・温泉地」整備の意義と役割
【第13回】
 新しい観光政策(観光圏とリゾート政策)
【第14回】
 リゾートの新しい潮流(会員制リゾートホテル・クラインガルテン・客船クルーズ・リゾートウエディング・アウトレットモール等)
【第15回】
 魅力的なリゾート開発・整備のありかた