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授業目標 |
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空気力学の基本となる理想流体の流れを学び、飛行機の翼に発生する揚力の法則を理解する。
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授業概要 |
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流体力学の中でも空気力学は飛行機の翼まわりの流れを主として扱う学問です。 航空機の飛行速度が音速よりも十分低い低速の流れを扱うことと空気は粘性が小さい流体であることから、その流れを非粘性非圧縮性流れ、すなわち理想流体の流れとして扱うことができます。 理想流体の流れとして航空機の翼まわりの流れを扱うことにより翼に発生する揚力などの基本法則が明らかにされました。この科目はこのような理想流体の流れを理解することが目的です。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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流体の力学要論で用いた教科書と同じものを使用しますので、各章末の問題を解くように心がけましょう。
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授業計画 |
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空気力学における基本諸量と流れの分類 【第1回】空力的諸量の定義(圧力、密度、温度、流速、流線) 【第2回】翼に働く力とモーメント、揚力係数、抗力係数、モーメント係数 【第3回】風圧中心、次元解析、流れの相似則 【第4回】静水力学、浮力 【第5回】流れの分類Ⅰ(連続流と自由分子流、非粘性と粘性流、境界層と剥離) 【第6回】流れの分類Ⅱ(非圧縮性と圧縮性流れ、亜音速流、遷音速流、超音速流、極超音速流) 空気力学の基礎式 【第7回】ベクトル解析、流線、流条線、粒跡線、ラグランジュ微分 【第8回】渦度、渦無し流れ、ベクトルポテンシャル 【第9回】循環、流れ関数、流線の方程式 【第10回】連続の式、運動量の式、エネルギーの式 【第11回】ベルヌーイの法則とその応用(ベンチューリ管、低速風洞、ピトー管による風速測定、噴流、急拡大管の損失、プロペラの効率、水車) 粘性と圧縮性が無視できる流れの基礎 【第12回】ラプラス方程式と解の重ね合わせ 【第13回】基本的な流れ(一様な流れ、湧出しと吸込み、ダブレット、渦) 【第14回】円柱まわりの流れ、クッタ・ジューコフスキーの定理 【第15回】演習問題
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成績評価の方法、基準 |
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期末試験によります。
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使用テキスト及び使用教材 |
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教科書:中山泰喜著『新編 流体の力学』(養賢堂) 参考図書:J.D. Anderson, Jr., Fundamentals of Aerodynamics, McGraw-Hill Book Co. 谷一郎著、『流れ学』(岩波書店)、石綿良三『流体力学入門』(森北出版)、 佐藤恵一、木村繁男、上野久儀、増山豊 著、『流れ学』(朝倉書店)
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7. |
その他 |
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J.D. Andersonの著したJr., Fundamentals of Aerodynamicsに関する内容についてはプリントやプロジェクタで紹介します。
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