1. |
授業目標 |
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生産は設計、加工、組立、検査の各プロセスから構成されます。工業材料に所要の形状、寸法、機能および種々の使用環境に耐えうる性質を与えるためには、最適な設計と適切な材料加工を施す必要があります。生産・加工学は、過去の人類の英知が蓄積された学問であるとともに、種々の創意工夫が今なお着々と組み込まれつつある学問でもあります。本講義では、従来の生産・加工に加え、先端材料加工に至るまで、生産・加工全般について幅広く詳説します。
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2. |
授業概要 |
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本講義では機械製品の製作プロセス、すなわち、設計、加工、組立、検査の流れの中で、前者の2プロセスに重点をおいてものづくりの本質が理解しやすいように講述します。まず、設計のプロセスを概観し、設計と加工との関係について述べます。特に、近年のコンピュータを使用したCAD(Computer Aided Design:コンピュータ援用設計)、CAM(Computer Aided Manufacturing:コンピュータ援用製造)、NC(Numerical Control:数値制御)について詳述します。次に、加工を支配する物理・化学現象を基礎とする理論的な面を述べます。また、ものづくりではコストや加工の能率などの経済的な面も考慮しなければならず、実際の生産の現場で行われていることについても言及します。さらに、最近の新しいものづくりの動向を、実施例をまじえながら、紹介します。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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授業内容は設計および加工に関連する分野を取り扱うが、学部の講義よりも専門的です。学部での材料科学、精密加工学等の履修が望ましいが、履修していなくとも理解できるように、基礎から専門的分野まで講述します。
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4. |
授業計画 |
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第1回 先端生産・加工学序論 機械部品の製作プロセスの流れとものづくりの本質 第2回 設計プロセスとコンピュータの利用 設計工学、CAD/CAM 第3回 機械工作法 機械工作の目的、機械工作法の分類 第4回 CADによるプロダクトモデリング 2次元CADと3次元CADによるプロダクトモデリング、データベース 第5回 NC概論 NC工作機械、NCプログラム 第6回 CAD/CAMとNC加工 CADにおけるCAM機能、NC加工ソフトウエア 第7回 切削加工 切削理論、切削力学、仕上げ面生成機構 第8回 研削・研磨加工 研削・研磨理論、研削・研磨力学、仕上げ面生成機構 第9回 エネルギ加工 エネルギ供給法、熱加工理論 第10回 切削・研削工具 工具の摩耗形態、工具の種類と特性、工作液 第11回 難削材の加工 セラミックス、複合材料、金属間化合物の加工 第12回 超精密加工 超精密ダイヤモンド切削、超精密研削、超精密研磨 第13回 微細加工 超精密加工と微細加工、微細加工におけるバリ取り 第14回 超音波振動加工 超音波振動と共振現象、超音波振動切削法 第15回 工作機械、まとめ 工作物形状と工作機械の運動、工作機械の要素と精度、駆動方式、まとめ
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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レポートにより評価します。
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6. |
使用テキスト及び使用教材 |
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教材は必要に応じてその都度配布します。
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7. |
その他 |
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プリント配布およびプロジェクタ使用による講義形式で進めます。
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