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授業目標 |
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人間の尊厳と医療職が体験する実践上のジレンマなどの専門職をとりまく医療社会の現状から派生する倫理的課題や日常的医療に取り込まれ無視されている現実の倫理的課題について分析し、その問題解決法を深く追求する。生命倫理・医療倫理の歴史の中で特に第2次世界大戦後の医療従事者の反省から生まれた「ヘルシンキ宣言」の重要性や、インフォームド・コンセント、脳死と臓器移植、体外受精などの先端医療をめぐる問題など、医療従事者の知っておかなければならない課題を教授する。さらにこれらの知識のもとに、人を対象にした研究を行うに当たって必要な背景の知識、および規制や手続きの実践的な知識を教授する。
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2. |
授業概要 |
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生命倫理の概念を概観し、医療専門職が踏まえるべき倫理的規範を教授するとともに、人を対象にした研究を行う際に必要な倫理的な条件を教授する。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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前半7回は英文/和文の論文を読み、発表する、演習形式。大学院生に当ててその論文資料をまとめて発表させ、皆で討議する。 後半8回は大学院生にとって必要な医療倫理を臨床研究に関する教育サイトを利用して実践する。
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4. |
授業計画 |
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【第1回】(小松真理子)「ヘルシンキ宣言」とインフォーム・ドコンセント 【第2回】(小松真理子)脳死と臓器移植、脳死概念から逸脱する脳死者、「ラザロ徴候」(Ropper) 【第3回】(小松真理子)脳死概念の検討1、「植物状態患者のリハビリ」(Shewmon) 【第4回】(小松真理子)脳死概念の検討2、「脳死は死か」(Shewmon) 【第5回】(小松真理子)生殖技術の問題の検討1、「体外受精」 【第6回】(小松真理子)生殖技術の問題の検討2、「障害の告知」 【第7回】(小松真理子)生殖技術の問題の検討3、「出生前診断」 【第8回】(小松 明)生命・医療倫理の基本的考え方 【第9回】(小松 明)研究倫理 【第10回】(小松 明)臨床研究における日本の現状 【第11回】(小松 明)研究における倫理的条件 【第12回】(小松 明)不正行為と利益相反 【第13回】(小松 明)統計と仮説検定 【第14回】(小松 明)ICR臨床研究入門 【第15回】(小松 明)研究倫理審査申請書・研究計画書作成
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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小松真理子は、発表とレポートで評価する。 小松明はe-ラーニング合格証と研究倫理審査申請書・研究計画書で評価する。
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使用テキスト及び使用教材 |
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小松真理子の教材は、英文/和文の論文を配り、院生に当ててその論文資料をまとめて発表させ、演習をする。 小松明の教材は、ICR臨床研究入門の「臨床研究の基礎知識講座」(http://www.icrweb.jp/)。参考書:坂本百大・青木清・山田卓生(編著):生命倫理ー21世紀のグローバル・バイオエシックス、北樹出版。
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7. |
その他 |
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オムニバスで、前半の7回を小松真理子が医療倫理の歴史や現在問題になっている医療倫理について教授する。 後半8回を小松明が研究倫理を概説した後、ICR臨床研究入門初級編にアクセスしてe-ラーニングを行った後、研究倫理審査の申請書・研究計画書を各自で作成してみる。
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