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授業目標 |
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地域に生きる普通の人びとの暮らしとその歴史的基層をつぶさに観察してきた学問が民俗学です。この授業では民俗学の古典的名著を精読します。1冊の古典とじっくり向き合い読み込むことを通じて、日本の民俗と民俗学のエッセンスを深く理解することを目標とします。
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2. |
授業概要 |
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柳田国男著『明治大正史 世相篇』(1931年初版)をテキストとして取り上げます。本書は日本民俗学の創始者である柳田国男が、明治大正期という(執筆当時からみて)近い歴史を描き出したものです。著名人の行跡や大事件にはまったく触れず、普通の人びとの平凡な毎日の中に題材を求めて書き上げられています。たいへんユニークな民俗の記録として、今日でもなお読むに値する名著です。 授業は主として輪読形式で行います。受講者が逐次朗読し、それについて講釈を加えていきます。毎回の授業の終わりには、その回に読んだ部分の内容を要約し論評するレビューシートを書いてもらいます。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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予習は必須です。テキストはかなり昔に書かれた本ですから、理解しづらい言葉も少なくないと思います。その意味や読み方をあらかじめ調べてから授業に出席してください。
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授業計画 |
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【第 1 回】ガイダンス 【第 2 回】柳田国男と地域民俗 【第 3 回】輪読「家と住心地」前半 【第 4 回】輪読「家と住心地」後半 【第 5 回】輪読「故郷異郷」前半 【第 6 回】輪読「故郷異郷」後半 【第 7 回】輪読「新交通と文化輸送者」前半 【第 8 回】輪読「新交通と文化輸送者」後半 【第 9 回】輪読「家永続の願い」前半 【第10回】輪読「家永続の願い」後半 【第11回】輪読「労力の配賦」前半 【第12回】輪読「労力の配賦」後半 【第13回】輪読「伴を慕う心」前半 【第14回】輪読「伴を慕う心」後半 【第15回】定期試験とまとめ
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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学期末に定期試験を行います。得点配分は定期試験20%、平常点80%です。試験は論述式で、テキストの書評を書いてもらいます。平常点はレビューシート、朗読・読解の出来、授業への参加姿勢などをもとに総合的に判断します。
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6. |
使用テキスト及び使用教材 |
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柳田国男『明治大正史 世相篇』(中央公論新社、中公クラシックスJ2、1628円、ISBN: 9784121600134)をテキストとして使用します。授業に出席する時には必ず持参してください。 なお、本書はいくつかの出版社からさまざまな版が刊行されていますが、この授業では中公クラシックス版に準拠します。異版の利用は避けてください。
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7. |
その他 |
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可能な限り第1回目の授業から出席してください。授業の進め方、推奨する学習方法、成績評価の方法と基準、受講にあたっての心得などを詳しく説明します。第2回目以降は履修者がその内容を理解していることを前提に授業を進めていきます。 履修者数の多寡などに応じて授業の進め方や評価方法に若干の変更を加える可能性があります。
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