1. |
授業の内容(Course Description) |
|
市民革命後に誕生した市場社会には、市場経済と財政という2つの経済が存在する。このうちの財政は、中央政府や地方政府(都道府県・市町村)が民主主義に基づいて営む「公の経済」であり、税金を主たる収入源として、警察・消防・教育などの公共サービスの提供や、道路・公園・上下水道などの公共インフラの整備が行われている。現在の日本の財政規模は国民所得の4割(アメリカでは3割、ドイツでは5割)を占めている状況にある。 さらに、現在の日本の中央・地方を合わせた政府支出に占める地方の割合74%(アメリカは62%、ドイツは83%)にも達している。 この講座は、このように現代の市場社会の中で「公の経済」の中心的役割を担っている地方財政について考察する後期の講義である。 この講座は、大学院・経済学専攻の科目であることから、大学の学部で「財政学」を学んでいることを前提として講義を進める予定である(財政学の「入門編」の講義は1年次の科目として配当されている「財政学Ⅰ・Ⅱ」で、財政学の「本編」の講義は3年次の科目として配当されている「財政政策論Ⅰ・Ⅱ」で行う)。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
地方財政論の基礎的知識の習得 日本の地方財政の現状の理解
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
基本的に、出席状況(2/3以上の出席が必須)と期末試験の成績とで評価
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:小坂紀一郎『一番やさしい自治体財政の本〈第1次改訂版〉』学陽書房、2007年(1,700円+税) 参考文献:神野直彦『財政のしくみがわかる本』岩波書店、2007年(780円+税) 神野直彦『財政学〔改訂版〕』有斐閣、2007年(3,200円+税) 高井 正『地方独自課税の理論と現実』日本経済評論社、2013年(3,800円+税)
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
毎回の該当部分のテキストによる予習
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
春学期の講座である「地方財政論特講Ⅰ」との連続履修を希望する。 授業を集中して受講する学生を希望する(私語は厳禁。退席を求める場合もある)。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 ガイダンス 【第2回】 予算の概要 【第3回】 予算原則 【第4回】 予算の形式 【第5回】 予算の編成課程 【第6回】 歳入予算 【第7回】 歳出予算 【第8回】 決算 【第9回】 自治体財政の分析 【第10回】 行財政改革の動向 【第11回】 行財政改革の手法 【第12回】 地方議会 【第13回】 住民自治 【第14回】 後期の総括① 【第15回】 後期の総括②
|