Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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日本の食料・農業 II 森  建資
選択  2単位
【経済】 14-1-1120-3253-06

1. 授業の内容(Course Description)

 この授業では、現在私たちが直面している世界全体の農業問題の中で、日本の農業のあり方を考えてみたいと思います。
 第二次大戦後、先進国は農業保護政策を展開してきましたが、それは現在厳しい批判にさらされています。なぜ、先進工業国は農業保護を続けてきたのでしょうか。この問題は、TPPをめぐる議論に示されるように、世界の通商体制のあり方と深い関係を持っています。
 第二次大戦後、自由主義諸国は自由貿易体制を作り上げましたが、各国の農業保護政策に配慮して、農業は長い間自由貿易の対象にはならなかったのです。戦後の日本の農業政策もそのような農業保護の容認を前提に展開しました。しかし、そのような農業保護政策は1980年代以降激しい批判にさらされます。日本の農業政策も、大きな変化を迫られてきました。
 日本の食料・農業Ⅱではこうした農業保護や通商体制の問題を主な柱にして、それに環境政策や農地政策を関連させて現在の問題を考えていきます。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 現代の農業問題をしっかり理解することが目標です。授業で使われるおもな概念や考え方を身に着けていただきたいと思います。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業には必ず出席するようにしてください。最終的な試験の占める比重は大きいですが、状況によっては途中で小テストをおこなうかもしれません。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 参考書
 速水祐次郎・神門善久、『新版 農業経済論』(岩波書店)
 田代洋一、『日本に農業は生き残れるか』(大月書店)
 梶井功、『WTO時代の食料・農業問題』(家の光協会)
 今村奈良臣、両角和夫、『農業保護の理念と現実』(農山漁村文化協会)
 美甘哲秀編、『日本の食料戦略と商社』(東洋経済新報社)

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 新聞やテレビなどで、現代の食や農業を取り巻く問題に関心を持っていただきたい。とくに、TPPをめぐっては、ここ数年大きな議論が巻き起こっています。そうした議論にも注意を払ってください。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 パワーポイントや配布資料を使って授業を行いますが、ノートをとることを心がけてください。また授業内容について積極的に質問することを期待しています。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 農家と農業経営
【第2回】
 日本の農村
【第3回】
 農業法人
【第4回】
 農業協同組合
【第5回】
 日本の農業政策(1)
【第6回】
 日本の農業政策(2)
【第7回】
 コメの生産調整
【第8回】
 農地をめぐる問題
【第9回】
 日本農業の国際化
【第10回】
 世界の農産物市場と貿易
【第11回】
 イギリス農業の歴史
【第12回】
 経済発展と農業問題
【第13回】
 日本農業の発展
【第14回】
 農業と環境
【第15回】
 まとめ