Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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エコツーリズム論 今野 久子
選択  2単位
【観光経営】 14-1-1130-3754-01

1. 授業の内容(Course Description)

 エコツーリズムは、自然保護と観光に関して国際的な議論が高まるなかで登場し、日本では小笠原や西表島で始まった。その後エコツーリズム推進法成立(2007年)等を経て、里地里山の身近な自然等も対象とする「日本型エコツーリズム」ともいえる形で展開している。
 この「日本型エコツーリズム」を我が国の観光動向の中に位置づけてみると、「新しい観光」の実践の一つの形として「日本型エコツーリズム」を捉えることができる。このことは、《「新しい観光」は、成熟社会のまちづくりという「地域」側からみた課題に応えるものと期待される》との観点にたつと、よく理解できる。
 本講義では、まずエコツーリズム登場の背景と日本での展開をみていく。さらに「新しい観光」の実践としての里地里山を含む「日本型エコツーリズム」、および同様に都市での「タウンツーリズム」などについて事例を交えて概観する。これを踏まえて、「日本型エコツーリズム」を含む「新しい観光」に関し、上記の観点を中心に観光と地域との両面からみた課題や方向性等についての基礎的理解を得られるようにしたい。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①エコツーリズム登場の背景について、概要を説明することができる。
 ②「日本型エコツーリズム」の特徴について、法の枠組み等も踏まえ、概要を説明することができる。
 ③「新しい観光」の課題や方向性等について、必要に応じ実践事例の概要等も踏まえ、自らの意見を述べることができる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 リアクションペーパーが20%、振り返りシート作成が10%、中間試験が20%、期末試験が50%として評価する。
 中間試験、期末試験は、自らが作成した振返りシートのみ持ち込み可とする。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 基本的にはパワーポイント又はレジュメに基づいた講義とする。参考文献は授業のなかで適宜紹介するが、より広く学ぶための関連図書を以下に示す。
 ・小方昌勝著(2004)『国際観光とエコツーリズム』文理閣
 ・環境省・㈶日本交通公社編(2004)『エコツーリズム さあ、はじめよう!』㈶日本交通公社
 ・十代田朗編著(2010)『観光まちづくりのマーケティング』学芸出版社

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 日頃から各地の「日本型エコツーリズム」「タウンツーリズム」などに関する情報に関心を持ってほしい。また、できる限り機会を捉えて「日本型エコツーリズム」「タウンツーリズム」などの活動や報告会等に積極的に参加するよう努められたい。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 講義の妨げとなる行為をつつしむこと。特に他の受講学生に迷惑となる私語は退席を願い、評価の減点対象となるので留意してほしい。
 各地で実践されている「日本型エコツーリズム」「タウンツーリズム」の取組みは、当然ながら各地固有の地域環境に応じた固有の課題を有しているので、個別の各現場に関する情報や実際の参加体験を通してより具体的に学び、授業の座学で得た基礎知識に照らしつつ、より一層理解を深められるよう期待している。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

各回のテーマは以下に示す通り想定するが進捗等に応じ一部変更も視野にいれる。また、必要に応じゲスト講師を招聘する機会をつくる。
【第1回】
 授業の全体構成の解説
【第2回】・【第3回】
 「自然保護と観光」に関する議論とエコツーリズムの登場
【第4回】~【第6回】
 「日本型エコツーリズム」の展開と「新しい観光」
【第7回】
 授業のまとめおよび中間試験
【第8回】~【第12回】
 「新しい観光」の実践と課題(日本型エコツーリズム、タウンツーリズム等)
【第13回】・【第14回】
 「新しい観光」の課題と方向性
【第15回】
 授業の総括および期末試験