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授業の内容(Course Description) |
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新聞やテレビなどの報道機関の影響のせいか、各国政府の動向などの国際政治が着目される傾向が世間にはあるかと思います。そのためか、国際法についてよく理解されていなかったり、逆に誤解されることも多いかと思います。例えば、武力紛争が起こるたびに「国際法は死んだ」とか、「国際法には意味がない」などと言われますが、このような発言は、国際法が国際関係において現実に果たしている役割を正しく理解しているとはいえません。平時であろうと戦時であろうと、主権国家の関係を規律するのが国際法の役割であって、それを理解することが重要です。 そこで本講義の目的は、2つあります。第一の目的は、上記で指摘した国際法が実際に果たしている役割を学生諸君に知ってもらうことです。本講義では、国際法の主体について説明します。第二の目的は、国際法を通して、学生諸君のリーガル・マインドの育成にあります。そのため、判例の説明に重点をおきたいと思います。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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①国際法の基本知識を習得し、国際法秩序の基礎を理解できる。 ②リーガルマインドを成長させることができる。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席点が50点、LMS試験が50点です。授業に出席しない限り、単位は取得できません。 LMSは宇都宮キャンパスのLT開発室が管理しているe-learningシステムです。このシステムには授業で使用したパワーポイントファイルをアップロードします。また、このシステムで試験を実施します。 LMSを使用するには学内LANのパスワードが必要です。学内LANのパスワードを取得していない学生及びパスワードを忘れてしまったという学生は、8号館1階の情報処理センターで、できる限り早くその手続きを行ってください。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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レジュメで講義を行いますが、条約集は必須です。なお、条約集は年度初めにその年度のものが出版されるので、後日にお知らせします。 自習用の初級参考文献としては以下のものを薦めておきます。 渡部 茂己・喜多 義人(編)『国際法 第2版 (Next教科書シリーズ)』(弘文堂、2014年)、2,310円(税込) 授業でも使う判例集として、以下のものを薦めておきます。 杉原高嶺・酒井啓亘(編)『国際法基本判例 50(第2版)』(三省堂、2014年近刊)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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LMSによる予習と復習を行うつもりです。詳細はオリエンテーションのときに説明します。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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【関連科目】国際法の授業は全体として「国際法(歴史・法源)」「国際法(主体)」、空間の規律に関する「国際公法C」及び国際法秩序の維持に関わる「国際公法D」から構成されており、国際法の全体像を理解するためには、上記科目を履修することが望ましいと考えます。また、さらに国際法の専門分野として、「国際組織法A/B」「国際人権法」「国際安全保障法」「国際経済法A/B」「国際紛争処理法A/B」(また2015年度から開講される「国際刑事法I/II」など)があり、より深く勉強できるようになっています。 【学生へのメッセージ】本学ではセメスター制を採用しているので、「国際法(主体)」だけを受講するのは確かに可能ですが、この授業だけ履修しても授業内容が理解できないと思います。できれば「国際法(歴史・法源)」を履修した上で、本講義を受講していただきたいと思います。やる気のある学生をお待ちしています。 また第1回目のオリエンテーションで、授業のスケジュールと単位の取得方法などを説明するので、必ず出席するようにしてください。なお、2回目以降は個人的にオリエンテーションのことを聞いてきても、私は答えませんので、その旨理解しておいてください。 質問のある学生は、yaskita@main.teikyo-u.ac.jpにまでメールを送ってください。なお、その場合は表題に「・・・の件」とした上で、氏名及び学籍番号と用件の内容をメール本文に記して送ってください。匿名メールはスパムとして取り扱います。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 01.国際法主体の種類 【第3回】 02.国家の成立と国家承認 【第4回】 03.国際法上の政府の問題 【第5回】 04.国家主権 【第6回】 05.国家免除 【第7回】 06.国際関係における国家機関 【第8回】 LMS講習会 【第9回】 07.国家の消滅 【第10回】 08.国家承継 【第11回】 09.国際機構 【第12回】 10.国籍と外国人 【第13回】 11.国際的人権保障(1) 【第14回】 12.国際的人権保障(2) 【第15回】 13.国際犯罪の規制・LMS試験
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