Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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変化する社会と教職の専門性 向山 行雄
必修  2単位
【教職大学院】 14-1-1331-1957-15

1. 授業の内容(Course Description)

 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 現代の社会における学校生活の位置づけを理解し、教員に求められる使命や専門性、研修のあり方・方法などを究明し、充実した学校生活を協働で運営していく力とコーディネート力の育成を目指す。
 教員の服務について、法令及びゲストスピーカーからの講義などを基に、現実に即した授業を行う。その理解を基に、教員に求められる使命や専門性について考察を深め、それらを身につけるための研修のあり方、研修方法を、コミュニケーションの手法については、ロールプレイなどを取り入れて学び、企画・立案・運営できる能力の習得を図っていく。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 <A類学生>
  ・法令にもとづく教員の服務を理解し、それを分かりやすく説明したり、実践したりできる。
  ・今日求められている教員像や専門性について究明・理解し、自己の資質能力の向上に取り組むことができる。
  ・信頼される学級経営・学校運営を支えるために、教員として必要なコミュニケーション能力を身につけることができる。
 <B1類学生>
  ・法令にもとづく教員の服務を理解し、それを適切に実践するとともに、他の教員に助言できる。
  ・自己の授業実践や学校の課題を客観的に省察し、改善策を提案するとともに、研修等の計画を企画・立案・説明する力や、メンターティーチャーとしての他の教員を指導する力を付けることができる。
  ・信頼される学級経営・学校運営を支えるために、教員として必要なコミュニケーション能力を身につけ、他の教員にも助言できる。
 <B2類学生>
  ・法令にもとづく教員の服務を理解し、それを適切に実践するとともに、服務事故の未然防止策を計画した入り、指導助言したりすることができる。
  ・自己の授業実践や学校の課題を客観的に省察するとともに、人事考課制度や総合的な研修体系、OJT等について理解を深め、教員の資質能力向上に向けた指導助言を行うことができる。
  ・教員として必要なコミュニケーションの場や能力を整理し、自らもその能力を身につけるとともに、コミュニケーション能力向上のための取り組みを指導助言することができる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業での報告を準備する取り組み(関心、意欲)、研究リポートの内容・レベル、プレゼンテーションのレベル、発展的な議論への貢献度等により、総合的に評価する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  日本教育経営学会・編『教員の専門性と教育経営』(第一法規)
  今津幸次郎・著『変動社会の教師教育』(名古屋大学出版会)
  その他個別のテーマについての参考書は、適宜紹介する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 在籍校・実習校における教育活動や校長、副校長、教員の職務内容・職責について、継続的に観察・記録しておくこと。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 研究リポートの作成ほか、プレゼンテーションやディスカッションへの積極的な参加を期待する。
 教職の使命や専門性を多面的に考察するため、上記の参考文献はぜひ読んでほしい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 社会の変化と教育の役割①
  基本文献を購読論議し、変化する社会の諸相について考察する。
【第2回】
 社会の変化と教育の役割②
  基本文献を購読論議し、変化する社会の諸相について考察する。
【第3回】
 社会の変化と教育の役割③
  ・これからの日本の社会の変化を予測し、近未来における学校教育の期待や役割について検討する。
  ・A類学生は、これから教師を目指すものとして、学校教育に対する期待を検討する。また、B1/B2の協議に参加し、考察を深める。
  ・B1/B2類学生は、自己の実践を振り返り、これまでの学校には何が期待され、今後はどのようなことが期待されると考えるか、社会の変化と照らし合わせて検討を深める。
【第4回】
 教育改革の動向①
  中央教育審議会の答申や国・都の教育振興基本計画等を基に、現在、どのような教育改革が進められているか把握する。
【第5回】
 教育改革の動向②
  中央教育審議会の答申や国・都の教育振興基本計画等を基に、現在、どのような教育改革が進められているか把握する。
【第6回】
 教育改革の動向③
  ・国や東京都の教育改革の流れを資料化し、分かりやすくプレゼンテーションを行う。
  ・A類学生は、教育改革の流れとともに、これからの学校のあり方を検討し、資料化する。
  ・B1/B2類学生は、これからの学校教育のあり方を具体的なビジョンとして検討し、説明や指導助言を行う。
【第7回】
 諸外国の教育改革①
  近代学校教育制度が確立されて以降の諸外国の教育改革の動向を調べる。
【第8回】
 諸外国の教育改革②
  近代学校教育制度が確立されて以降の諸外国の教育改革の動向を調べる。
【第9回】
 諸外国の教育改革③
  諸外国の教育改革の動向について、我が国と比較しながら資料にまとめる。
【第10回】
 開かれた学校づくり
  学校情報の公開・開示、学校評議員制度、学校運営協議会制度、その他「開かれた学校づくり」の制度について考察する。
【第11回】
 新たな学校づくりの取組①
  学校選択制やコミュニティースクールなどの取組を調査し、その成果と課題、今後の見通しについて検討する。
【第12回】
 新たな学校づくりの取組②
  ・小中一貫校、中高一貫校の取組を学校訪問を通じて調査し、その成果と課題、今後の見通しについて検討する。
  ・A類学生、B1/B2類学生による混合グループを編成し、小中一貫校、中高一貫校の訪問調査を実施する。
【第13回】
 新たな学校づくりの取組③
  勤務校や実習校の課題を整理し、信頼される学校づくりを推進するため、その改善策を考え、提案する。
【第14回】
 学校組織の課題
  幼・小・中・高等学校の組織の構成員(校長、副校長、主幹、教諭、主事等)の割合や職務分担の現状等について調べ、諸外国の実情と比較し、日本の学校組織の課題を探る。
【第15回】
 学校の役割についてのまとめ
  ・我が国における「学校」と「教員」の役割について、自己の考えをまとめ、パネルディスカッションを行う。
  ・A類学生は、若手教員の立場から、考察を深めパネラーを行う。
  ・B1類学生は、現代社会における学校教育の課題を多面的に考察し、リーダーとしてパネラーやコーディネーターを行う。
  ・B2類学生は、事例や自己のビジョンを基にパネルディスカッションについての指導助言を行う。