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授業の内容(Course Description) |
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みなさんは、学生としてこの大学で教育を受けているように、教えられる立場で物事を考えたり感じたりする経験を豊富にもっていることだろう。当たり前のように思うかもしれないが、みなさんが教育を受けることができるのは、教えるという行為が介在してこそ成立する。この、教えるという行為は、いかなる時代にも普遍的にみられるわけではなく、教え手である教師の力量(能力や判断力)に左右される営みとして反省的に捉えられようになったのも、人類の歴史のなかではそんなに昔から見出されるものではない。 教育学は、教えるという行為が秩序立って体系的な枠組みのもとで実践される特質を有するなかで発展してきた学問だ。どういった目的で教え、それはどのような社会的背景を伴って現出しているのか、また、教育を通じてどのような人たちを育てていこうとしているのか? この授業では、教育学の歴史を概観し、教育という営みに介在している概念や技術、そして原理的な特徴を把握しながら、教育の目的や方向性について探求していく。このような探求を通じて、受講生のみなさんが大学で教育学を学ぶことの意味を見出していくことができればと思う。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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・教育学における概論的な知識の習得をめざしつつ、幅広い観点から教育について思考することができるようになることを到達目標とする。 ・教育学がもつ当為学的な側面と事実学的側面の適切な理解を踏まえて、教育学の意義を論じることができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点(適宜実施する小レポートや授業後に提出を求めるコメントシートの内容など)50% 期末テスト50%
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは用いないが、参考文献、資料は授業中に適宜提示する。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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・授業中に指示する文献や文章を次回授業前までに読んでおき、論点を把握しておくこと。 ・適宜実施する小レポートの作成を行うこと。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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秋学期開講の教育学Ⅱの受講を考えている学生は、予め受講しておくことを勧めます。授業ではコメントシートの提出を要求することがよくありますから、欠席や遅刻には十分注意して、積極的に取り組むことを求めます。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション 【第2回】 教育とは何か 【第3回】 近代と教育――教育学の成立と発展(1) 【第4回】 近代と教育――教育学の成立と発展(2) 【第5回】 教育学の規範性と実証性 【第6回】 教育の社会的機能と教育学(1)――社会化 【第7回】 教育の社会的機能と教育学(2)――選抜・配分 【第8回】 教育の社会的機能と教育学(3)――正当化 【第9回】 教育をめぐる揺らぎと教育学 【第10回】 学校教育と教育学 【第11回】 教育政策と教育学 【第12回】 教育問題と教育学 【第13回】 教育学再考(1)公教育と私教育をめぐって 【第14回】 教育学再考(2)教育と学習の関係を踏まえて 【第15回】 授業総括
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