1. |
授業の内容(Course Description) |
|
考古学の主な研究対象は住居・墓穴などの遺構、土器・石器などの遺物である。これらの資料を記録し、活用するためにはさまざまな知識と技術を必要とする。そこで実際の資料をもとに、それらの知識と技術を学ぶことを本科目の目的とする。 秋期では、夏季に発掘調査を行った場合、発掘資料の整理を行う。その後、縄文土器模様原体復元・拓本を行なう。縄の復元ではかなり複雑な操作が必要である。これによって土器の製作から廃棄にいたる過程で付与された諸属性を抽出し、そこから縄文人の思考・行動の内容を復元する。この操作は、縄文土器ならず、すべての遺物に共通する検討方法であることを学んでほしい。春期の石器の検討方法も同様である。また、野球指導書を読んでも、すぐにヒットを打てないように、道具の製作・使用技術は身体の記憶・知識(言語では置き換えが困難な記憶・知識)を基盤としていることを理解してほしい。室内での実習に加えて、キャンパス内での資源探索を行ない、利用可能な植物資源の採集を行なう。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
土器の基礎的観察方法、情報の抽出表現方法を学ぶ。また、土器の材料である粘土、食糧となる植物などの環境資源を把握し、生態的視点を学ぶ。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
授業計画の項目で作成した資料はすべてレポートとして提出し、出席とレポートをもって評価する。出席しないと、レポート作成は不可能である。縄文原体である「縄」の撚りかたは、本で読んでも口頭で伝えられても、マスターできるひとはまずいない。まさに視覚と指で学ぶものである。なお、夏期に発掘調査に参加した学生の場合、秋期に評価を加える。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
資料を配布するので、特にテキストはない。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
博物館などを見学し、考古学資料を観察する。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
実習室からの遺物や原図の持ち出しは厳禁である。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
次の項目を設けるが、天候の状態などで順番を変える場合がある。 【第1回】 発掘資料の整理・観察(1) 【第2回】 発掘資料の整理・観察(2) 【第3回】 縄文原体作成(1) 【第4回】 縄文原体作成(2) 【第5回】 縄文原体作成(3) 【第6回】 縄文原体作成(4) 【第7回】 土器資料の観察(1) 【第8回】 土器資料の観察(2) 【第9回】 製作技術の復元(1) 【第10】 製作技術の復元(2) 【第11回】 土器片拓本・断面図実測(1) 【第12回】 土器片拓本・断面図実測(2) 【第13回】 土器片拓本・断面図実測(3) 【第14回】 土器の登録・計測・実測(1) 【第15回】 土器の登録・計測・実測(2)
|