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授業の内容(Course Description) |
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トゥキュディデス『歴史』をテキストとし、史料解釈と研究の方法を習得する。 この作品は古代ギリシアの代表的な歴史書で、前5世紀後半のアテネとスパルタが正面から戦ったペロポネソス戦争を主題とする。トゥキュディデスは厳密な事実にもとづく実証的な歴史の祖と言われる。その作品は政治と軍事における人間の複雑な意識と行動を解き明かし、彼の深い洞察は多くの演説の中に盛り込まれている。西洋では多くの政治家や軍人の座右の書となってきた。テキストを丁寧に読解しながら、古代ギリシア人の政治と思想を幅広く学んでいく。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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テキストの読解と史料解釈の方法を習得し、発表と討論ができること
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席30% 討論への参加40%、発表30%
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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トゥキュディデス(小西晴雄訳)『歴史(上)』ちくま学芸文庫 橋場弦『丘のうえの民主政』東京大学出版会(図書館2階の指定図書を利用) これ以外に使用する文献は、コピーを配布する
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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テキストの指定された箇所をあらかじめ読み、発表用のメモを用意してくること
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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黙って座っているだけの者には単位を出さない。 毎回発声練習を行なうので、声を出すのが嫌いな者は受講しないこと。 夏休みに読書の宿題を出す。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション・発声練習開始 古代ギリシア史概説 【第2回】 序文・ギリシア人の戦争 【第3回】 第1巻よりエピダムノス紛争:アテナイにおけるケルキュラ使節とコリントス使節の演説 【第4回】 第1巻よりスパルタにおけるコリントス使節とアテナイ使節の演説 【第5回】 第1巻よりスパルタ王アルキダモスの演説、アテナイとスパルタの意志決定過程 【第6回】 第1巻より50年史・アテナイ海上帝国の発展 【第7回】 第1巻よりペリクレスの演説と対スパルタ戦略 【第8回】 第2巻よりペリクレスの国葬演説(その1) 【第9回】 第2巻よりペリクレスの国葬演説(その2) 【第10回】 第2巻より疫病の流行とペリクレスの死 【第11回】 第3巻よりミュティレネの反乱に関するアテナイ民会の論争 【第12回】 第3巻よりディオドトスとクレオンの演説の論点整理 【第13回】 第3巻よりミュティレネ問題についてのディベート 【第14回】 第3巻よりプラタイア事件をめぐるプラタイア人とテバイ人の演説 【第15回】 前期のまとめとレポート作成
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