Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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日本近世近代史研究 深谷 幸治
選択  2単位
【日本史・文化財学専攻】 14-1-1340-1602-03

1. 授業の内容(Course Description)

 日本の近世・近代史研究における諸議論の焦点・到達点を説明し、またそれらを歴史学の近接分野である地理・民俗・宗教・文学などと関連させつつ、担当教員の専門とする分野を中心に講義・議論していく授業である。教員の専門分野は中近世移行期から近世前・中期にかけての、畿内近国を中心とした地域社会史であり、講義を主体に進めていく場合には、この授業は近世史に関連する内容がメインとなる。だがそもそもそうした時代区分自体が曖昧な部分があり、日本近世の近代的性格も指摘されている現状もあるので、近世・近代史の研究と設定しているものである。従来の時代区分や常識にこだわることなく、自由な観点から時代や地域を行き来できるような授業としたい。
 この授業は大学院の修士課程院生を対象とするものであるから、教員による講義・説明に留まるものとはせず、院生諸氏とも話し合った上で、それぞれの興味ある分野、専門的な研究対象としたい時期・テーマなどに関わる内容を取り上げ、院生もそれについての研究史や論点などを、史料・論文等をあげて説明・報告し、その上で担当教員と院生が自由に議論するという、演習的な進行方式も考えている。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 近世・近代史の研究を院生が進めていくため、必ず直面する複雑な研究史整理や、その中での問題点・到達点の確認をこの授業で行い、院生の認識を高めることを目標とする。また同時に院生自らの研究分野に関するテーマ等の、共同議論・分析を進めることによって、院生が修士論文を仕上げていく際の作業に資するものとしたい。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 出席は成績評価の前提となる必要条件である(但し論文作成などの時期については考慮する)。それを満たした上で、報告・議論等授業への参加状況を勘案して、成績を決定する。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは使用しない。必要な史料・論文等は、担当教員が適宜プリントして配布する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 大学院修士課程の授業なので、自分が興味を持つ分野の理解に必要な関連書籍・論文・史料等の熟読など、自主的学習は必須。またこの授業参加を契機として、自分の研究対象とするテーマを早期に見出し、それに沿った方向で史料等の収集を進めておくことが望ましい。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 近世・近代史研究上の論点が大きなテーマとなるが、その前後の時代である古代・中世あるいは近代以降の歴史的推移に関わるものが少なからず含まれる時期でもあるため、専攻する時代だけではなく、広い範囲の院生による参加を期待している。
 なお下の授業計画はあくまで予定であり、授業の進行具合によっては変更されることもあるため、承知しておいてもらいたい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 ガイダンス。講義の方向性・内容の説明。またそれぞれの受講院生から意見を聴取して、その希望に則した内容にしていくことも可能である。そのための話し合いを行う。
【第2回】~【第14回】
 上の方針により、時間毎に適宜扱う史料・論文等、またテーマを決めて講義し、あるいは報告・議論などを進めていく。参加院生に対しては、担当教員からの説明要請や質問などが行われる場合があるので、その準備もしておくこと。
【第15回】
 全体の総括。