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授業の内容(Course Description) |
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大学院修士課程における前近代古文書、特に中世のそれを中心に解読していく演習である。学部生の時期に古文書学の講義を受けていた院生も、あるいは受けていなかった院生も共に学習していけるよう、古文書学の基礎的な部分から始め、演習形式で参加各院生に読みと意味の説明などを担当してもらい、その報告に関する議論を行う。いろいろな種類の古文書の形態・内容・分類等の様式を学べる授業としたい。 基本的に活字史料を多く使うが、学習の進行程度によっては、原本の写しである写真史料、つまり墨字のものを読んでいくこともあり得る。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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日本前近代史を専攻する修士課程の院生が、自らの専門知識と技術をもって研究を進展させ、それを修士論文の作成などの成果につなげることができるようすることが目標となる。また将来的には教員・学芸員・教育関係公務員などの仕事に直結して役立てることが可能なように、古文書読解への対応力を付けることを目指す。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席は成績評価の前提となる必要条件である(但し論文作成などの期間については考慮する)。それを満たした上で、授業内での報告内容などを勘案して、成績を評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは古文書学関係の文献や、その演習材料とすることができる、古文書の写真版が掲載されている書籍などを検討している。参加院生と相談の上で決定したい。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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大学院修士課程の授業なので、古文書学の習得に必要な範囲での参考とすべき文献・論文・史料などは、事前に自分の専攻範囲を考えた上で適切なものを選び読んでおくなど、自主的な学習が期待される。修士課程の時期は2年間と、修士論文作成期間としては短いものであるから、大学院入学当初から自らの研究すべきテーマを早めに検討し決定していくことが必要。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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前近代の古文書史料で、活字・墨字のものを自らの研究に利用していく必要があることは当然予想されるので、その解読のための基礎的な能力を養い、さらにそれを伸ばしていくための場になる。古文書読みは古代から中世・近世はもちろん、場合によっては近現代である明治~昭和中期頃の研究にまで必要とされるものであって、専門とする時代・テーマに縛られることなく、積極的な参加を期待する。 なお下の授業計画はあくまで予定であり、授業の進行具合によっては変更されることもあるため、承知しておいてもらいたい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス。参加院生諸氏の専攻分野・テーマなどによって、この演習で進めていくべき方向性やその具体的な内容を話し合う。その上で使う史料やテキスト・関連論文等を指示し、報告の順序決めなどを行う。 【第2回】~【第14回】 上の方針に従って、順次テキストやプリント等を使用し、古文書の読みと解釈、意味の説明などを各院生に分担してもらい、授業を進めていく。それから内容についての議論を行う。必要な場合には、担当教員による補足的説明もある。 【第15回】 前提の総括。
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