Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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人類学 I 安達 義弘
【Ⅶ】  2単位
【Ⅶ 地球環境と生命科学を学ぶ】 14-1-1350-3758-05

1. 授業の内容(Course Description)

 人類学といえば、①形質人類学、②考古学、③文化人類学を指す場合が多いが、本授業では③文化人類学を取り上げます。文化人類学とは、世界の民族と文化・社会を比較研究する学問であるということができます。そして、文化人類学の重要なキーワードは「文化相対主義」です。文化相対主義とは、研究対象の文化を、自分が属している文化の観点からその優劣を評価する「自文化中心主義」的な態度ではなく、どのような文化もその環境に適応する方法として歴史的に形成されたものであり、どの文化にもそれぞれの価値があるという考え方です。
 前期講義では、文化人類学がどのような学問であるかを明らかにし、人間にとって文化とは何か、家族や親族など、人と人との結びつきの具体的事例などを取り上げて、文化人類学がどのような対象をどのように分析するのかを学習します。そのような学習を通して、受講生は、「文化相対主義」とは何かを学ぶことになります。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①文化人類学とはどのような学問なのかを理解する。
 ②文化人類学の研究対象の概要を理解する。
 ③文化人類学が研究対象をどのように分析するかを理解する。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業態度30%、ミニレポート40%、学期末レポート30%、で総合的に評価します。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは使用しません。
 参考書は授業中に紹介します。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 授業時間外学習として、次の点を求めます。
 ①毎回授業開始前、予め指示された予習課題に取り組んでいただきます。
 ②毎回授業終了後、「授業振り返りシート」を提出していただきます。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 本講義を通じて、「文化相対主義」という重要なものの見方を学習しますが、この視点は、グローバル化が進展し、異文化交流がますます活発化している現代社会では、他者に偏見を持たないという視点であり、とても重要かつ必要なものです。その自覚を持って主体的に受講していただきたいと思います。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 人間にとって「文化」とは何か
【第2回】
 文化人類学的理解―文化相対主義
【第3回】
 フィールドワーク―参与観察
【第4回】
 文化人類学の研究対象―他者とは誰か
【第5回】
 人と人との結びつき①親と子
【第6回】
 人と人との結びつき②男性と女性
【第7回】
 人と人との結びつき③家族
【第8回】
 人と人との結びつき④親族
【第9回】
 人の一生①通過儀礼
【第10回】
 人の一生②通過儀礼と境界
【第11回】
 人の一生③儀礼の構造
【第12回】
 人の一生④通過儀礼の役割
【第13回】
 環境と技術①適応と選択
【第14回】
 環境と技術②住居
【第15回】
 環境と技術③野生の思考