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授業の内容(Course Description) |
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からだの特徴に遺伝の影響があることは誰でも認めますが、心の特徴に遺伝の影響があることは必ずしも知られていません。たとえばとても神経質な人に出会ったとします。その人の行動は、親に神経質になるように育てられたからなのでしょうか。あるいは家庭外での何らかの体験に基づいているのでしょうか。それとも、その人の遺伝子の影響なのでしょうか。こうした人間の行動に及ぼす遺伝と環境の影響について明らかにしていく学問領域が、行動遺伝学です。近年の生命科学の進展に従い、現在この領域の研究の重要性が認識されており、アメリカでは心理学の1つの基礎分野を構成しています。 行動遺伝学研究の中でもっともポピュラーな方法に、双生児法があります。一卵性双生児とは、偶然にもまったく同じ遺伝子情報を持ち合わせたふたりの個人です。顔貌から仕草や行動まで見分けがつかないほどそっくりかと思えば、まったく異なる人生を歩むふたりもいます。そしてそこに遺伝と環境の寄与を解く鍵があります。 本演習では、この双生児法を用いた行動遺伝学に関する文献を輪読していきます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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科学的論文を読み、ディスカッションを重ねていくことにより、人間の行動に対する遺伝と環境の影響を理解し、あるいは批判し、自分の意見を伝えるスキルを身につけていくことを目指します。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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毎回の授業のプレゼンテーション、ディスカッションへの参加と意欲、レポートで評価します。学期末試験は行いません。半期に3回以上の欠席は、評価の対象外です。また、授業内で発言をしなければ、出席とはみなされません。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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安藤寿康著『遺伝マインド―遺伝子が織り成す行動と文化』有斐閣 をテキストとして用います。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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全員が毎回指定した箇所を読んできてください。発表担当者は、配布資料や、パワーポイントのスライドを準備してきてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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やむを得ず授業に欠席する場合には、予めご連絡をください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス 【第2回】~【第14回】 プレゼンテーションとディスカッション 【第15回】 まとめ
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