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授業の内容(Course Description) |
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この授業では、考古学資料の中に文字や文献史料が豊富になった古墳時代以降の「歴史考古学」を対象とする。取り扱う考古学資料は、都城・城柵・官衙・集落等の遺跡や農業・窯業・製塩・製鉄・木工・造幣等の生産遺跡、そしてこれらに伴う遺物、カミ・ホトケ等の宗教・信仰遺跡とその遺物等多種多様にわたる史資料を取扱い、多角的な検討を加える。これまでの歴史考古学は、文献史学の補助学的な存在であったが、土中から出土する資料から、文献史料の分析だけではわからなかった事象が明らかになる事例が多くなり、歴史学全体における考古学の役割や責任は、近年一段と高まっている。現在では古代に限らず中世から近世・近代でも考古学の重要性が増している。 前期では、「歴史考古学」の飛鳥時代から平安時代にわたるさまざまな考古学成果をレジュメ資料やパワーポイントを用いて概観してみたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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歴史考古学における基礎知識を習得し、考古学を中心として、関連諸学の研究成果も加え、広い視野で歴史を見る目を養う。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業参画度(30%)と受講姿勢・態度(30%)および試験(40%)によって評価します。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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各授業ごとにレジュメを作成し配布しますが、下記の参考書もあれば授業内容を理解するための手助けとなるでしょう。 参考書:熊野正也他編 『歴史考古学を知る事典』(東京堂出版)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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生まれ故郷や、現在住んでいる身近な地域の博物館や資料館等に足を運んで、その土地土地の歴史や風土に触れて欲しい。3.11東北大震災以後、これまでの地域社会と国家との諸関係が問い直されている。私たちの身近な歴史や風土に触れることで過去に向き合い、そこから自ら暮らす足元の歴史を考え、私たちが進むべき未来が見えてくるのではないいかと考えています。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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本授業は総合基礎科目のため、1・2年生の学生を主に対象としています。しかし私は考古学の楽しさを少しでも多くの人に知ってもらい、歴史を見る目を養って欲しいという考えから、それ以外の学年でも、歴史や考古学に関心があり、本授業にまじめに参加し取り組む学生であれば、本授業への受講を認めます。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 歴史考古学概論-本講義の内容 【第2回】 古代の焼きもの 【第3回】 古代の都1 【第4回】 古代の都2 【第5回】 律令制下の地方社会支配-古代の地方官衙と社会 【第6回】 地方支配の二つのシンボル-国府 【第7回】 地方支配の二つのシンボル-郡家 【第8回】 古代の集落 【第9回】 古代の交通 【第10回】 古代の土地開発 【第11回】 古代の手工業生産と流通 【第12回】 古代の信仰1 【第13回】 古代の信仰2 【第14回】 出土文字資料からみた古代日本 【第15回】 古代の終末-古代から中世へ
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