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授業の内容(Course Description) |
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・18~19世紀に活躍したアメリカの実業家の自伝を読みながら、近代産業社会の発展期における事業成功の秘密を考える。取り上げるのは、フランクリン(1706-90)とカーネギー(1835-1919)である。どちらも小学校程度の教育しか受けておらず10代前半から見習職工や配達夫のような子供向けの仕事から職業生活をスタートしてから、様々な事業を成功させたアメリカの立志伝中の人物である。日本でいえばパナソニック創業者の松下幸之助(1894-1989)や本田技研工業(ホンダ)創業者の本田宗一郎(1906-91)も、同じように小学校程度の教育しか受けておらず丁稚奉公から身を起して事業を発展させていく。 ・フランクリンやカーネギーが青年になる18~19世紀のアメリカは近代産業社会の発展期にあたり、学歴や経済資本のない若者でも知恵と才覚で事業を起こし、社会的な成功をつかむことができた。その成功の秘密とは何だったのか。時代や社会に帰属できる理由と、個人の能力や工夫に帰属できる理由を区別しながら、他の時代や社会との比較に耐える知見を得る。とくに現代を生きる若者たちにとってどのようなヒントを与えてくれるのかを考えたい。 ・受講者は2人の自伝(いずれも文庫)を入手して、読み込み、自伝のなかの情報を抽出・整理して、まとめ、発表することが求められる。グループに分かれて作業および討論をおこなう予定である。 ・進行の都合上、受講希望者は第2回までに必ず出席し、第3回にはテキストを持参すること。(第2回まで無断欠席をした場合は受講を認めないので注意すること)
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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・歴史的社会的背景を理解しながら自伝を読むことができる。 ・実業家の自伝を分析して、事業の成功の理由を論ずることができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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・平常点(授業への積極参加)20% ・小課題(小レポートまたは発表)30% ・期末レポート50%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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・ベンジャミン・フランクリン『フランクリン自伝』岩波文庫、1957 ・アンドリュー・カーネギー『カーネギー自伝』中公文庫、2002
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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・指定されたテキスト(2冊の自伝)を読み込み、自伝のなかの情報を抽出・整理してまとめる。 ・自伝の背景理解に必要な言葉の意味を調べておく。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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・事前にテキストを読んで、内容をまとめたり言葉の意味を調べたりする比重が大きい。授業ではその事前作業を前提として、討論などへの積極的な関わりが求められる。 ・進行の都合上、受講希望者は第2回までに必ず出席し、第3回にはテキストを持参すること。(第2回まで無断欠席をした場合は受講を認めないので注意すること)
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 グループ分け、2人の実業家とテキスト 【第3回】 フランクリン自伝と18世紀① 【第4回】 フランクリン自伝と18世紀② 【第5回】 フランクリン自伝と18世紀③ 【第6回】 中間まとめ、補足 【第7回】 カーネギー自伝と19世紀① 【第8回】 カーネギー自伝と19世紀② 【第9回】 カーネギー自伝と19世紀③ 【第10回】 アメリカ社会と「セルフ・メイド・マン」 【第11回】 M.ウェーバーと「資本主義の精神」 【第12回】 まとめ、レポートについて 【第13回】 レポートについて 【第14回】 期末レポート提出 【第15回】 レポートの返却と講評、ふりかえり
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