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授業の内容(Course Description) |
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文化財は、金属や木材・石材など、様々な素材でできています。文化財を長く保存・活用し、歴史を考える資料とするためには、それがいつ、どのような原材料や技術によって作られたのかを調べる必要があります。そのために現在では、文化財に対しても様々な自然科学的な調査方法が開発され、多くの成果をあげています。また発掘調査によって出土した埋蔵文化財の中には、急速に劣化が進み形が損なわれてしまうものがあり、どのようにすれば劣化をくい止められるのかについても研究が進んでいます。 この授業では出土遺物を中心として、素材ごとにその歴史や技法などについて具体的に解説し、現在どのような保存処理法が行われているかについて学びます。さらに発掘によって姿を現した土木構築物の技術面や保存法・復元法について事例をまじえて紹介するとともに、史跡をはじめとする歴史遺産の保存・整備・活用のあり方や問題点等についても考えます。 この分野は文系と理系が融合している点が特徴で、理系の理論の話もでてきますが、その調査法や保存処理法によって、どのような新しい成果がもたらされたのかという点に重点をおきます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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各種文化財の特性や、保存処理の基本的な考え方と手法について概要を理解するとともに、今日の史跡等の整備・活用のあり方を学ぶ中で、今後どのような方向性が望ましいのか、個人的な意見がもてることを目標とします。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席率と試験で評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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各授業ごとに資料を配布します。下記の参考書があれば授業を理解するための手助けとなるでしょう。 参考書:『文化財保存科学ノート』近未来社
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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休日等を利用して各地域の博物館や資料館を訪れ、実際に展示品を観察してください。また、整備された史跡公園などへも行き、どのような整備や活用がされているのか見てください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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この授業をとおして、文化財や歴史についての基礎知識が深まることを期待します。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 文化財の科学と保存Ⅱ概論 【第2回】 鉄製品の歴史と技術 【第3回】 鉄製品の保存 【第4回】 銅製品の歴史と技術 【第5回】 銅製品の保存 【第6回】 金銀製品の技術と科学 【第7回】 木製品の歴史と科学 【第8回】 木製品の保存 【第9回】 陶磁器の歴史と技術 【第10回】 石造物の歴史と技術 【第11回】 石造物の保存 【第12回】 土木構築物の歴史と技術 【第13回】 土木遺構の保存 【第14回】 遺構復元と歴史遺産の整備 【第15回】 総括
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