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授業の内容(Course Description) |
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20世紀は「戦争と革命の世紀」だった。第一次および第二次世界大戦という二つの戦争、ロシア革命と中国の文化大革命という二つの革命、そして空前の軍備拡張競争が行われた冷戦、そしてその間にベトナムやアフリカや中南米のジャングルの中で繰り広げられた多くの戦争は、第三次世界大戦であったとも言える。人類は、絶え間なく続いたこれらの悲惨な殺戮と破壊を体験したのだった。諸君が国際社会の中核となって活躍する21世紀を、「平和と繁栄の世紀」にするために、過去の世界の国際政治の歴史の中から何を学べばよいのだろうか。21世紀が同時多発テロで始まったいま、国際社会には新たな不安定要因も生まれつつある。我々はこれらの不安定要因をどう読み解けばよいのか。 隣の中国は自由と民主主義を尊ぶ友好的な超大国になるのだろうか、軍事大国になるのだろうか、あるいは不安定なコースを歩むのだろうか。朝鮮半島に和解と平和の時代は来るのだろうか。本講義は、國際政治の中でもとくに、北東アジア地域における國際関係のうち、「中国」、「朝鮮半島」、「極東ロシア」、「アジアの多国籍機構」と「わが国」との関係について基礎的な知識をまとめたものである。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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①東アジア地域の安全保障に関し基礎的な知識を習得させる。 ②隣国である中国の概略の歴史、現代中国の姿、中国の近未来シナリオ、北朝鮮に対する現状認識と近未来シナリオ、北東アジアの安定化のために各国が為すべきことに関する基礎的な概要を理解させ、新聞やテレビで紹介される中国、台湾、北朝鮮、極東ロシア、東アジア地域における安全保障情勢の背景を理解できるようにする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への出席状況を重視する。出席率・小テスト・期末試験の成績を総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書 志方俊之著『危機』(海竜社)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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当日の授業計画に示された項目の予備知識をインターネットで調査し、最低限のキーワードについて予習しておくこと。および当日の授業で筆記をさせた内容については、次回までに整理しておくこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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出席率を重視する。講義中、不定期にワンポイント・テストを行う。「国際政治学A」を受講する者は、なるべく秋期に「国際政治学B」を受講するよう希望する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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以下の項目を、ほぼ1週間に一つのペースで進める。 【第1回】 アジアの地域的特性と歴史 【第2回】 北東アジア地域の特性 【第3回】 朝鮮半島を巡る国際政治 (その1:日米中露と朝鮮半島) 【第4回】 朝鮮半島を巡る国際政治 (その2:分裂した朝鮮半島の現状) 【第5回】 朝鮮半島を巡る国際政治 (その3:平和的統一への努力) 【第6回】 極東ロシアを巡る国際政治 (その1:ロシアからみた極東地域の重要性) 【第7回】 極東ロシアを巡る国際政治 (その2:極東ロシア地域の軍事力) 【第8回】 極東ロシアを巡る国際政治 (その3:北方四島問題と日露関係の将来) 【第9回】 中国を巡る国際政治 (その1:歴史から学ぶ中国、漢の時代まで) 【第10回】 中国を巡る国際政治 (その2:歴史から学ぶ中国、清の現代まで) 【第11回】 中国を巡る国際政治 (その3:歴史から学ぶ中国、中華人民共和国成立まで) 【第12回】 中国を巡る国際政治 (その4:歴史から学ぶ中国、中華人民共和国成立から現在まで) 【第13回】 中国を巡る国際政治 (その5:日中両国間の信頼醸成) 【第14回】 台湾を巡る国際政治 (台湾問題の行方) 【第15回】 まとめ
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