Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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国際公法B 則武 輝幸
選択  2単位
【法律】 14-1-1210-0420-12A

1. 授業の内容(Course Description)

 国際関係をより良く理解するためには、国際社会を規律する法規範、すなわち国際法(国際公法)を知ることが必要である。2003年度まで、国際公法の講義は、国際公法 I (2年次配当4単位)、国際公法II(3年次配当4単位)の2科目に分かれていたので、私担当の国際公法 I では、国際法の総論にあたる部分について講義していた。(ただし、個人に関する国際法および外交使節・領事・外国軍隊に関する国際法については、例年時間切れとなるため、3年次配当の国際公法IIに譲っていた。)2004年度より、国際公法 I は、国際公法 A(2年春期2単位)と国際公法 B(2年秋期2単位)、国際公法IIは、国際公法C(3年春期2単位)と国際公法D(3年秋期2単位)に分割されることになった。また、2013年度入学生より、国際公法Aは国際法(歴史・法源)、国際公法Bは国際法(主体)と改称されることになった。今年度の国際法(主体)(国際公法B)では、春期の国際法(歴史・法源)(国際公法A)を受けて、国際法の総論にあたる部分のうち、国家の成立要素、国家の類型、国家承認、政府承認、国家承継、政府承継、国家の基本的権利・義務、国家の国際交渉機関(外交使節・領事機関・外国軍隊)、国際機構に関する国際法、個人に関する国際法ついて、最新の具体的事例を踏まえて講義することにする。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①国際法の基本として、国家の成立要素、国家の類型、新国家が成立した場合の国家承認と国家承継、非合法的手段で新政府が成立した場合の政府承認と政府承継、国家の基本的権利・義務、国家の国際交渉機関について、理解できるようになる。
 ②国際法の基本として、個人に関する国際法、国際機構の組織と活動を規律する国際法について、理解できるようになる。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 原則として、期末試験のみで評価する。中間試験やレポートは実施しない。ただし、CかDか判断に迷う場合には、出席状況を参考にすることもある。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト:『国際法(第2版)』 渡部 茂己・喜多 義人 編(弘文堂)
      『現代国際法講義(第5版)』杉原 高嶺・水上 千之・臼杵 知史・吉井 淳・加藤 信行・高田映著(有斐閣)
 前者をメインテキスト、後者をサブテキストとして使用する。
 一昨年度よりメインテキストを変更しているので、2010年度以前入学の諸君は注意されたい。
 参 考 書:『ベーシック条約集(2014年版)』 松井 芳郎 編集代表(東信堂)
      『判例国際法(第2版)』 松井 芳郎 編集代表(東信堂)
      『国際法基本判例50(第2版)』 杉原 高嶺・酒井 啓亘 編(三省堂)
      『国際法判例百選(第2版)』 小寺 彰・森川 幸一・西村 弓編(有斐閣)
 その他、講義の中で適宜指示する。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 必ず教科書・プリントで予習・復習をして、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。
 教室に座っていさえすれば単位がもらえると思っているならば、大間違いである。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 ①春期の国際法(歴史・法源)(国際公法A)を必ず履修した上で、受講して頂きたい。その他の関連科目として、国際公法 C・D、国際法特講 A・B、国際組織法A・B、国際経済法 A・B、国際紛争処理法 A・B、国際関係論 Ⅰ/A・Ⅱ/B、国際政治学 A・B、外交史 A・B。極力、同じ2年次配当の国際関係論 Ⅰ/A・Ⅱ/B を履修することが望ましい。他学部から受講する場合には、総合基礎科目の法学 I・II の単位を取得しているか、並行して履修していることが望ましい。短大から受講する場合には、法学 I・II および国際理解 VI-I・II もしくは国際関係1・2の単位を取得しているか、並行して履修していることが望ましい。予備知識なしでは、理解は極めて困難である。また、3年次配当の国際公法 C・D、国際組織法A・B、国際経済法 A・B、国際紛争処理法 A・B、国際法特講 A・Bを履修する場合には、この科目の単位を既に取得しているか、または並行して履修していることが、極力望ましい。
 ②毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。
 ③おおむねテキストの順序に従って講義するが、随時、補足のためにプリントも配布する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

 おおむね教科書の構成に従って、以下の順序で講義する。
 昨年度までとは構成が変わっているので、2012年度以前入学の諸君は注意されたい。
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 国際法(歴史・法源)の期末試験の答え合わせ
【第3回】
 国際法と国家①
  国家の成立要素
【第4回】~【第7回】
 国際法と国家②~⑤
  国家の類型(プリントで補足)
【第8回】
 国際法と国家⑥
  国家承認
【第9回】
 国際法と国家⑦
  政府承認
【第10回】
 国際法と国家⑧
  国家承継
  政府承継
【第11回】・【第12回】
 国際法と国家⑨~⑩
  国家の基本的権利・義務
【第13回】
 国家の国際交渉機関
  外交使節
  領事機関
  国家元首および外務大臣
  外国軍隊
【第14回】
 国際法と個人
 (詳しくは、国際法特講Aに譲る)
 人権保障の国際化
  国連と国際人権法の発展
  国際人権法典
  その他の重要な人権条約
  人権保障の国際制度-国連を中心に
  難民と国際法
【第15回】
 国際法と国際機構
 (詳しくは、国際組織法A・Bに譲る)
  国際機構の概念と歴史
  国際機構と加盟国
  国際機構の構造
  国際機構の意思決定
  国際機構の特権・免除
 ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。