Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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社会的養護 園 武友
選択  2単位
【教育】 14-1-1333-2735-04A

1. 授業の内容(Course Description)

 児童問題は、過去の歴史をみると、社会情勢が変動する中で、その時代の歪みが児童に大きな影響を与えてきている。児童養護の実践者たちは、社会の歪みから児童が受ける悲惨な状況と心の問題に対して、児童を守る立場から真摯に施設養護を実践してきた。
 児童養護の歴史の中で、1947年に制定された児童福祉法と1989年に批准された子ども権利条約の果たす役割は非常に大きいものと思われる。特に、子ども権利条約の批准は、日本の児童福祉制度を改善させ、児童の権利擁護が飛躍的に図られている。
 しかし、現在の児童問題は、就労問題など先行きの不透明な社会に対して、国民が疲弊し、家族間及び地域社会の結びつきが希薄になり、無差別な殺傷事件、いじめ、体罰、児童虐待が増加してきている。授業では、家族問題を中心としての児童養護とは何かを、児童施設での養護実践を踏まえて学んでいく。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①児童の養護問題の発生と背景を理解する
 ②児童福祉施設などの社会的養護の果たす役割を理解する。
 ③児童福祉施設の実際と課題を理解する。
 ④児童福祉施設などで暮らす児童の生活を理解し、児童の権利擁護を学ぶ。
 ⑤児童福祉施設で働く保育士などの役割や子どもへの援助のあり方を学ぶ。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業の出席状況を特に重視します。及び授業で実施するレポートを採点して総合的に評価します。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 参考文献
  ①『実践から学ぶ 社会的養護 -児童養護の原理-』編者 中山正雄 発行 保育出版社
  ②『施設・里親から巣立った子どもたちの自立』   編著 武藤素明 発行 福村出版
  ③ 施設で育った子どもたちの語り 明石書店

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 児童福祉に関わる制度の改正及び児童虐待などの報道記事を読んでおく。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 保育者を目指す者として、児童虐待がいかに子どもの心を傷つけるかを理解し、教育・保育・児童福祉現場での子どもたちへの支援のあり方を自分なりに考えて欲しい。又、児童施設に暮らす子どもたちの実態と思いを知って欲しい。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 児童養護の変遷
【第2回】
 児童養護の歴史
【第3回】
 児童福祉施設の対象と領域
【第4回】
 児童福祉施設の社会的体系と運営
【第5回】
 里親制度の現状と里親養護の課題
【第6回】
 家庭での暮らしと施設での暮らしの違い
【第7回】
 社会的養護の形態と子どもたちの生活
【第8回】
 虐待を受けた子ども達
【第9回】
 子どもの権利擁護
【第10回】
 社会的養護の基本原理
【第11回】
 社会的養護の原則と理論
【第12回】
 障害児施設での援助のあり方
【第13回】
 情緒障害児短期治療施設での援助のあり方
【第14回】
 社会的養護の専門職の役割
【第15回】
 社会的養護の課題