Web Syllabus(講義概要)

平成26年度

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日本語学入門 I 奥村  徹
選択  2単位
【教育】 14-1-1334-3215-05A

1. 授業の内容(Course Description)

 わかっているつもりでも、いざ、説明しようとすると非常に困難なのが、私たちの母語です。ことばは、身近すぎて、改めて考えるまでもない、という印象を与えます。しかし、実際は、奥の深い問題点がいろいろあり、まだ、解明されていないことも数多いのです。
 この授業では、日本語を中心に、様々な言語に関する研究を紹介し、いっしょに考えて行きたいと思います。特に、日本語を第二言語として学ぶ人々のために工夫された「日本語教育」のための日本語の分析は、中学や高校で学んだ「学校文法」が大嫌いだった人にも、面白いと感じてもらえると思います。
 前期は言語とコミュニケーション、音声や語彙を中心に、展開する予定です。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 日本語についてのこれまでの、基本的な研究成果に広く接し、自分なりに、日本語に関する様々な問題を分析する視座を持つこと。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 毎回、短い感想を書いてもらいます。平常点と感想を合わせて、50%
 2回予定しているレポートが合計で 50%

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 教科書ではなく、参考文献として
 『入門ことばの科学』大修館書店
 『現代日本語学入門』明治書院

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 毎回、授業の終わりに、次回のテーマの簡単な解説をする予定です。興味のある人は、そのときに紹介する文献などを読んでください。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 この授業は、日本語教員養成コースの一環として開講されます。受講希望者は、日本語教員養成コースのガイダンスに出席して、所要の登録をしてください。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 授業説明、世界の言語と日本語(1)言語とは何か、コミュニケーションと言語
【第2回】
 世界の言語と日本語(2)動物の伝達と言語の違い、言語の特徴
【第3回】
 世界の言語と日本語(3)言語の系統、世界の言語のグループは?
【第4回】
 世界の言語と日本語(4)日本語の特徴、日本語に似た言語は?日本語の系統は?
【第5回】
 音声について(1)音声の基礎知識、言語音はどうやって作られているか
【第6回】
 音声について(2)音韻論、音素、英語のpaと中国語のpaと日本語のpa
【第7回】
 音声について(3)音声の変化、日本語の昔の音の体系?
【第8回】
 アクセントとイントネーション
【第9回】
 語彙について(1)ものと名前 ものが先か、名前が先か
【第10回】
 語彙について(2)語彙の変化 「飯(メシ)」は下品で「ご飯」が下品じゃないのはなぜ
【第11回】
 語彙について(3)単語の意味とは何だろう
【第12回】
 文法=単語について(1)品詞とは何?
【第13回】
 文法=単語について(2)活用とは? なぜ、動詞は活用するのだろうか
【第14回】
 文法=単語について(3)副詞のさまざま 
「とかく」「ともかく」「とにもかくにも」語彙化
【第15回】
 文法=単語について(4)助詞について 「について」「にとって」=助詞相当句 文法化