1. |
授業の内容(Course Description) |
|
図書館の自由について学ぶ。図書館の自由は,「『日本国憲法』で保障している『表現の自由』を最大限に尊重し,日常の図書館活動を支えていく包括的概念」(『図書館情報学用語辞典』第3版)であり,図書館は資料の提供を通して市民の知る権利を実現させるための機関であるといっても過言ではない。 この概念が成立した背景から,昨年大きな問題になった「はだしのゲン」の閲覧制限など図書館の自由を脅かす様々な事件,図書館と図書館員の在り方までを,事例研究方式で学ぶ。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
1)図書館の社会的責任を理解する。 2)図書館員としての職責を理解する。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
出席と毎授業後のショートコメント(30%),ディスカッションと発表又は小レポート(課題)と発表(30%),最終レポート(40%)により総合的に評価する。 いかなる理由でも授業回数(15回)のうち5回以上を欠席した人,指定期日までにレポートまたは課題を提出しない人は最終評価の対象から除外する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:日本図書館協会図書館の自由委員会編著『「図書館の自由に関する宣言1979年改訂」解説』 第2版 日本図書館協会,2009 参考書:日本図書館協会図書館員の問題調査研究委員会編著『「図書館員の倫理綱領」解説』増補版 日本図書館協会,2005 松井茂記著『図書館と表現の自由』 岩波書店,2013 今まど子編著『図書館学基礎資料』 第10版 樹村房,2011 必読の参考文献,URLはその都度指示する。
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
1)身近な地域の図書館あるいは郷里の図書館で,図書館の自由についてどのような対応をしているか,訪問若しくはホームページ等で調査をしておくこと。 2)事例研究で取り上げる図書館の自由を巡る過去の事件について,各自新聞・雑誌記事,ネット情報などで事実関係を調査しておくこと。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
1)少人数の演習形式で行いたい。 2)第1回目のイントロダクションは授業の進め方,成績評価法について説明するので必ず出席すること。 3)毎回輪番でテキストや配付資料を講読し,ディスカッション,発表,解説する。当番に当たらない人も,必ず読んで,問題点,自分の意見をまとめて授業に臨むこと。 4)双方の連絡手段としてメーリングリストを活用する。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 イントロダクション- 授業の進め方,評価法等 【第2回】 『はだしのゲン』を巡って 【第3回】 図書館の自由に関する宣言の採択・改訂とその後の展開 【第4回】 資料収集の自由 【第5回】 資料提供の自由 【第6回】 利用者の秘密保持 【第7回 図書館と検閲 【第8回】 図書館員の倫理綱領(1) 【第9回】 図書館員の倫理綱領(2) 【第10回】 事例研究(1) 【第11回】 事例研究(2) 【第12回】 事例研究(3) 【第13回】 事例研究(4) 【第14回】 事例研究(5) 【第15回】 まとめ
*授業計画は学習進捗状況によって変更することがある。
|