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授業の内容(Course Description) |
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観光に関わる財・サービスはさまざまな価格付けがなされています.例えば,同じようなグレードのホテルであっても客室の料金が異なる場合があるし,航空運賃にしてもとなりに座っている乗客と自分の運賃と異なることも多々存在しています.何故同一の財・サービスに対して異なった価格が付けられているのでしょうか. 本講義では,さまざまな価格付けが行われている観光に関わる財・サービスの価格決定を経済学的にはどう説明することができるのか,を受講生諸君に平易に解説したいと考えています.そのために,経済学の基礎的な分析道具としての需要と供給概念の説明から出発し,徐々に複雑なケースの説明へと講義内容を発展させて行きたいと考えています.受講生諸君は,多様な価格付け方法が存在することを知ることができるはずです.観光に関わる財・サービスの価格決定に興味を持っている受講生の受講を希望しています.
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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受講生が本講義の受講によって観光に関わる財・サービス価格の多様な価格付けが経済学的に理解可能になり,サービスの価値を見る目が受講前よりより確かになること.
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成績評価方法(Grading Policy) |
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受講生の出席を重視し,出席の成績評価のウエイトを40パーセント,学期中に行う小テストのウエイトを30パーセント,そして最後に行う期末テストのウエイトを30パーセントとして,評価します.
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しないが,講義時に毎回プリントを配布しますので,欠席してはいけません.
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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受講生は,必ず予習・復習を心掛けることが必要です.
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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観光に関連する新聞記事や雑誌記事,そしてそれら以外のメディアの情報に注意し,現在,日本のそして世界の観光で何が生じているのか,何が問題になっているのかに注目することが必要です.
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義に当たっての諸注意と春学期の講義スケジュールの説明:観光生産物とは何を意味するかにつての簡単な説明 【第2回】 財・サービスの価格決定の基礎的概念としての需要と供給についての平易な説明:価格と価値の関係.消費者の支払意思と企業の供給意思の説明 【第3回】 市場は完全か不完全か.市場構造の説明:市場構造の平易な説明. 【第4回】 不完全競争市場とはどのような市場か.競争市場とどこがどう違うのか. 【第5回】 完全競争市場における財・サービスの価格決定:完全競争市場の基準は我々に最善の基準を提供してくれる. 【第6回】 独占の価格決定:余剰の概念の説明と余剰概念を利用した完全競争と独占の効率性の違いの説明. 【第7回】 第一次価格の差別化と第二次価格差別化の説明:理論の平易な説明と簡単な数値例を用いた計算と事例. 【第8回】 第三次価格の差別化と二部料金制の理論的説明:数値例による理解と現実の例.二部料金制とは何を意味しているのか. 【第9回】 ディズニー・ランドのジレンマ:ディズニー・ランドの最適な入場料の決定は可能か.ディズニー.ランドも価格決定には手をこまねいている. 【第10回】 バンドリングとどのような価格付けか:マクドナルドをはじめ多くのファスト・フードが実施している価格付けとしてのバンドリング. 【第11回】 独占的市場における価格決定:独占と独占的競争とは全く違う.近年の市場は独占よりも独占的市場が多数存する.独占的市場は現実的な市場か.製品の差別化とは. 【第12回】 寡占市場における価格の決定とその数値例による説明:寡占とは何かの説明., 【第13回】 観光市場における情報の不完全性とは何か:多くの観光に関わる市場は不完全である. 【第14回】 非対称的観光情報と観光サービスの価格:不完全情報は現実経済にどんな歪みを与えるか.観光者は不利な立場に立たされるか. 【第15回】 春学期のまとめと期末テスト
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