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授業の内容(Course Description) |
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世界経済と政治の概観を知った上で、国の経済力を左右するエネルギー問題を考えていきます。東日本大震災と大津波は福島原発事故の原因となり、いまなお15万の人々が避難生活する未曾有の損害をもたらしました。私たちが突きつけられたのは、日本の将来のエネルギー戦略について抜本的な再検討です。 教室では現時点で入手可能な情報をもとに福島原発事故を検証します。その事故が与えた経済・社会・外交など多方面に及ぶ影響を学習します。また、事故プロセスとそこで人々がどう闘ったかを学ぶことは、将来、社会に出た学生諸君が危機に直面したとき、いかに対応し、危機局面を切り抜けていけるかを学ぶ生きた「ケーススタディ」となるはずです。前期では福島原発事故を中心に何が起き、われわれにどんな備えが足りなかったのかを考えます。日本に原発がいかにして導入されるようになったのか、歴史、政治、外交のさまざまな局面に理解を広げていきます。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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世界経済と政治状況を基本的に把握したうえで、エネルギーに関する全般的な知識習得を目指します。一番大切なのは、どんな事態に直面しても、冷静に調査して事態を分析し、選択肢を導き、判断する訓練の場とすることです。前期では学生諸君に自分が課題とするテーマ設定をしてもらいます。エネルギー問題にからむテーマを自分で考えて、そこにどう取り組むか、春季最後にペーパーにまとめて提出してもらいます。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席とクラスにおける質問、討論で判定します。出席は非常に大事だし、取り組む姿勢として重視します。社会に出る準備段階ですから、規律ただしくクラスに臨むことは大切な第一歩です。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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随時、紹介しますが、教室ではとくに関連するNHK・TV番組を活用し、ゼミ学生が知っておくべき必須情報を紹介します。映像メディアを受け身で眺めるだけではなく、知識獲得に生かす体験をしてもらいます。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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関心を持ったテーマにつき、大学図書館などで参考図書を参照し、独習を重ねてください。自ら疑問をもち、回答を求めて調査していくこと。それがあらゆる場で役立つ訓練です。3年演習は教官が手とり足とり教えるのではなく、自分から調べていくことが大事。そのためのアドバイス役を果たすのが教官です。大人としての自己管理を求めます。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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ゼミでは討論への参加が勉強の大切な要点です。自分を磨く場と考えてください。また自分で決めたテーマについて図書館で関係書をさがし、読んでいき、知識を深めること。春季では自分のテーマ設定と情報収集が主な目標です。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】・【第2回】 ゼミ・ガイダンス、自己紹介プレゼンテーション。名前と血液型をいって終わり、という自己プレゼンは絶対不可。自分を語れるエピソードを考え、述べること。そこからが始まりです。 【第2回】・【第3回】 世界経済・政治の現状と構造について基本的な知識を身につけます。 【第4回】~【第10回】 福島原発事故を検証します。NHK・TV番組などを討論の材料にします。事故は社会問題であるばかりか、日本外交にまで幅広い影響を与えました。あらゆる角度からの検証を目指します。政府事故調査報告書などを基本に人間のとりうる限界まで関係者はどう努力したか、ぎりぎりの攻防戦をおさらいし、教訓をくみとります。 【第11回】~【第15回】 20世紀の世界を変えた石油をめぐる時代史や、あるいは日本の原発導入の歴史など。合わせてアメリカにおけるシェールガス革命などを概観し、学生諸君のテーマ設定の参考としていきます。エネルギー問題は合わせて地球温暖化との戦いですから、環境問題にも目を開いてもらいます。
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