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授業の内容(Course Description) |
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我々が普段何気なく行っている観光旅行は、さまざまな歴史的経緯によって形成されてきた、ひとつの歴史的産物である。観光の歴史を学ぶということは、ただ過去の遺産を知るだけでなく、現代の観光がいかに運用されているのかを知ることでもある。 そこで本講義では、文化としての日本観光の形成と発展を、明治から昭和を中心に、論じていく。国際観光の影響を受けつつも、独自の発展を遂げてきた日本の観光を追っていくことで、日本社会における観光の位置づけと、世界観光における日本観光の位置づけを、文化史的に示したい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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・日本の観光の歴史に関する基本的知識を身に付ける。 ・観光産業や文化に関する基本的構成要素とシステムを理解し、説明することができる。 ・日本観光について調べる際の基本的手法を身に付ける。 ・日本観光史を、世界観光史との関わりのなかで論じることができる。 ・史実を踏まえたうえで、独自の視点から観光史を論じることができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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成績評価内容については、初回に詳しく説明する。必ず初回の講義に出席すること。 ・毎回の講義ノート提出:50% *前回の内容をまとめたもの(A4で1枚程度)を、講義毎に提出して貰う。なお、内容を満たさない場合には、欠席として扱う。反対に内容が優秀な場合には、別途加点を行う。 ・期末テスト:50% *全て記述式で行う。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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・講義内容については、毎回パワーポイントと配布資料を用いて授業を進めるため、テキストは指定しない。 ・講義資料については、全てLMSにアップする。 ・参考文献については、初回に参考文献表を配布する。受講者自身が積極的に読み進めることを期待する。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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日本観光の歴史遺産たちは、今でもさまざまな場に埋もれています。講義の前後に自分で調べ、自分の足で実際に現場に赴き、自分の五感を通じてそれらのものを体感することを強く望みます。 学生からの希望がある場合には、授業時間外に希望制のフィールドワークを実施する可能性もある。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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・授業を生かすも殺すも皆さん次第です。常に主体的な態度での受講を望みます。 ・図書館を積極的に利用し、観光史に限らず、日本の政治・経済・社会・文化について幅広く学ぶことを強く勧めます。 ・日本観光の歴史は講義のなかで完結するものではありません。積極的に自分自身で調べて、日本観光の歴史を明らかにすることを強く望みます。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 近代観光の前夜-江戸時代の観光 明治・大正の観光史を見る 【第3回】 ♪汽笛一声新橋ヲ-文明開化のなかの日本の観光文化 【第4回】 小林一三と阪急電鉄株式会社-日本におけるレジャー文化の創始者 【第5回】 修学旅行の誕生-近代神道国家・日本のための観光 【第6回】 接待文化から国威発揚まで-戦前日本のインバウンド・ツーリズム 昭和の観光史を見る 【第7回】 思いは西洋-戦後と国際観光の発展 【第8回】 国民が沸いた日-東京オリンピックと大阪万国博覧会 【第9回】 慰安旅行の誕生-会社が創り出した日本の観光文化 【第10回】 Discover Japan-日本最大の観光プロモーション・キャンペーン 【第11回】 アンノン族とカニ族-皆さんの両親・祖父母はこうして旅をした...!? 【第12回】 団体旅行から一人旅へ-『地球の歩き方』とバックパッカーたち 平成の観光史を見る 【第13回】 リゾート地の功罪-迷走する日本と新たな観光へ 【第14回】 観光人材をめぐる歴史-帝京大学観光経営学科の歴史から考える 【第15回】 講義のまとめ-日本観光の未来
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