Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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観光経済学 I 小沢 健市
選択必修  2単位
【観光経営】 15-1-1130-3752-09

1. 授業の内容(Course Description)

 観光経済学とは,観光事象の経済的側面を経済学的に分析し,実証することにあります.この講義では,観光事象の実証までは進めませんが,その基礎となる観光事象の経済的側面を分析するための経済学のツールを平易に解説することが目的です。
 経済学の基礎的な概念の説明,特にこの講義では,ミクロ経済学の基礎理論である需要と供給の概念を観光事象の説明に適用しながら具体的な事象をそれらの概念を用いて平易に説明したいと考えています.
 また,「観光需要」や「観光供給」といった言葉がしばしば用いられますが,「観光需要」とは一般的には観光者の数を指す場合が多いのですが,観光経済学では観光者の数を意味するものではありません.経済とは,過ちを恐れずに言えば,モノやサービスの取引を通じて我々が生活を営むということです.したがって,経済学では,観光を観光者と他の経済主体との取引と見なし,それを分析するための基礎が「需要と供給」です.観光者による観光を実現するためにさまざまな取引が行われます.その取引を分析するための基礎的なツールをこの講義では平易に説明し,受講生が観光の経済的側面を正しく見ることができるようにしたいと考えています.観光事象とその経済的側面がどのように経済学的に説明できるかに興味を持っている学生諸君の受講を期待しています.

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 受講生が観光の経済的側面を正しく見ることが可能になり,それによって観光を「学的に」分析するためには何が必要であり,何をしなければならないかを理解することが可能になること.この講義を履修することによって,受講生がこれまでとは異なった観光の側面を理解可能になること.

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 学期中に実施する小テスと期末の試験並びに出席の3点により評価するが,小テストのウエイトは30%,期末試験のウエイトは40%,そして出席のウエイトは30%とする.

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストは特に指定しないが,講義中に毎回プリントを配布する.ただし,欠席者には,原則として,配布しないので注意すること.

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 受講後,毎回復習をすること.また観光に関する新聞等に掲載されている記事に必ず目を通すこと.

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 観光経済学Ⅰでは,特にミクロ経済学を分析のツールとして利用するので,ミクロ経済学を受講することが望ましい.

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 受講に当たっての諸注意と観光の経済的側面とは何を意味するのかの説明
【第2回】
 観光の経済的側面を統計からみる
【第3回】
 経済的取引としての観光(関連)財・サービスの取引を分析するためのツールとしての「需要と供給」の説明
【第4回】
 需要量の変化と需要の変化の相違を理解することが重要
【第5回】
 供給量の変化と供給の変化の相違を理解することが重要
【第6回】
 観光財・サービスの需要関数と供給関数から,観光財・サービスの価格を決定する(数値による計算例)
【第7回】
 観光財・サービスの価格決定の復習と小テスト
【第8回】
 観光財・サービスの市場構造と財・サービスの価格決定
【第9回】
 観光財・サービスの需要の価格弾力性とその計算例
【第10回】
 観光財・サービスの需要の所得弾力性と需要の交差価格弾力性の説明とそれらの計算例
【第11回】
 観光需要の広告弾力性とマーケティング弾力性の説明とその計算例
【第12回】
 観光財・サービスの弾力性と観光政策
【第13回】
 観光生産物とは何か?それは観光者の消費する観光財・サービスを意味しない
【第14回】
 観光は産業ではないが産業と密接な関係を持っている
【第15回】
 春学期のまとめと期末試験