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授業の内容(Course Description) |
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国連平和維持活動(PKO)の事例研究 受入国の同意、中立性、自衛の場合以外の武力行使の自制、国内問題不干渉を基本原則とする国連の平和維持活動(PKO)は、本来国連憲章で予定されていたものではなく、東西冷戦時代に機能不全に陥っていた集団的安全保障制度を補うものとして、国連の慣行の中で編み出され、制度として確立していったものである。東西冷戦時代のPKOは、主に国家間の武力紛争について派遣され、その任務も、停戦の監視や兵力撤退の検証など、比較的に単純なものが多かった。しかしながら、東西冷戦後は、内戦の当事者間で結ばれた包括和平協定の履行を支援するために設立される場合がほとんどで、その任務も、停戦の監視だけでなく、人道援助の支援、難民・避難民の帰還の支援、人権の保護、元戦闘員の武装解除・動員解除・社会復帰の支援、警察・司法制度の再建の支援、自由で公正な選挙の実施・監視など、きわめて多岐にわたるようになった。このように質量ともに発展著しい国連PKOの活動について、具体的な事例を研究する。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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①具体的な事例の研究を通じて、自発的に資料を調べ、レジュメを作成し、報告することができるようになる。 ②具体的な事例の研究を通じて、国連PKOの活動について理解できるようになる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席状況と報告の内容を勘案して評価する。授業回数の三分の一以上を無断欠席した場合、もしくは、一度も報告をしなかった場合には、単位取得の資格を失う。就職活動でやむを得ず欠席する場合には、Eメールでよいので必ず連絡すること。連絡がない場合には、就職活動を口実にサボったものとみなすので、そのつもりで。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考書:『国連による平和と安全の維持―解説と資料―』 横田 洋三 編著(国際書院) 『国連による平和と安全の維持―解説と資料―第2巻』 横田 洋三 編著(国際書院) 『国際連合の基礎知識(改訂版)』 国際連合広報局(関西学院大学出版会) 『PKOの史的検証』 軍事史学会編(錦正社) 『集団安全保障の本質』 柘山堯司編著(東信堂) その他、必要に応じて適宜紹介する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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必ず参考書・プリントで予習して、自学自習の習慣を身に付けて頂きたい。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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①関連科目として、国際法(歴史・法源)(国際公法A)、国際法(主体)(国際公法B)、国際法(空間)(国際公法C)・国際法(秩序維持)(国際公法D)、国際人権法(国際法特講A)・国際安全保障法(国際法特講B)、国際組織法Ⅰ・Ⅱ/A・B、国際関係論Ⅰ・Ⅱ/A・B、国際裁判所論Ⅰ・Ⅱ(国際紛争処理法A・B)、国際政治学Ⅰ・Ⅱ/A・B、外交史Ⅰ・Ⅱ/A・B。ことに、国際法(歴史・法源)(国際公法A)、国際法(主体)(国際公法B)、国際関係論Ⅰ・Ⅱ/A・Bの単位を既に取得し、同じ3年次配当の国際法(空間)(国際公法C)・国際法(秩序維持)(国際公法D)、国際人権法(国際法特講A)・国際安全保障法(国際法特講B)、国際組織法Ⅰ・Ⅱ/A・B、国際裁判所論Ⅰ・Ⅱ(国際紛争処理法A・B)を並行して履修していることが、極力望ましい。 ②毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自発的にPKOなどの国際問題に対する関心を高めるよう、努力して頂きたい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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春期の前半・中盤は、私の方で国連PKOの理解に必要な予備的知識について講義し、春期の後半と秋期は、毎回受講者の中から担当者を決めて、PKOの具体的事例について報告して頂くことにする。担当者は、自分の関心に従って事例を選び、当該PKOの展開が必要となった紛争の経緯、PKOの職務権限、具体的活動、成果と問題点などについて報告をする。その後、出席者全員で、報告の内容について質疑を交わし、討議する。 【第1回】~【第15回】 担当者による報告 ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。
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