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授業の内容(Course Description) |
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◎日本は島国であるため、なんとなく「一つの文化」から成り立っているように思われがちだが、その内部をみると、地域によって多様な文化や生活様式が存在し、それぞれ独特の内容を持っていることがわかる。例えば、北海道と沖縄の文化・生活様式を比べてみるだけで明瞭であろう。 ◎それぞれの地域文化を理解することなくし、日本文化の特徴を理解することは困難である。画一的な「日本文化」理解を克服して、日本文化の多様性を把握するとともに、それを通じて「日本文化」のなかの固有性を見つけ出せるような講義にしたい。 ◎本講義では、この点を浮き彫りにするために、列島各地の中世都市をいくつか選び、その地域的特質について講義する。 ◎日本の「東」的特徴と「西」的特徴に注目し、それぞれの生活様式や文化の違いについて概観する「Ⅰ」と連続して受講することを希望したい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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1,日本文化が「単一」ではないこと、地域によって多様な文化・生活様式が存在する、という考えを習得すること。 2,列島各地で成立した中世都市で多様な文化や生活様式が形成され、継続されてきた歴史的要因を理解すること。 3,それらの多様性のうえに成立してきた「日本文化」の特徴について習得すること。 以上、3点を到達目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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1,出席数を重んじる。 2,講義内容についての理解度を重んじる。 3,1・2を評価するために、2回の「まとめのテスト」とそれ以外に実施する3回程度の「小テスト」(不定期)を行う。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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1,テキストは用いない。 2,参考文献はその都度紹介するが、当面、以下の2点を紹介する。 入間田宣夫他編『北の平泉、南の琉球』(「日本の中世」5、中央公論新社) 斉藤利男『平泉』(講談社メチエ)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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小テスト、「まとめのテスト」に向けて、講義内容の習得と復習に十分時間を割くこと。 参考文献を中心に、地域文化に関する書物を読むこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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日本史に関する基礎知識を習得していること。 身の回りの文化・習俗の地域的偏差について関心をもつことに日頃より心がけてほしい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の進め方、講義の目的、小テストなどに関するガイダンス。 【第2回】 北海道・東北の歴史と文化①ー擦文文化 【第3回】 北海道・東北の歴史と文化②ー10・11Cの北海道・東北 【第4回】 北海道・東北の歴史と文化③ー平泉の文化 【第5回】 北海道・東北の歴史と文化④ー十三湊 【第6回】 北海道・東北の歴史と文化⑤ー勝山館 【第7回】 まとめとテスト 【第8回】 平安京の歴史と文化①ー平安京の成立 【第9回】 平安京の歴史と文化②ー平安京の変容 【第10回】 平安京の歴史と文化③ー穢れの観念 【第11回】 平安京の歴史と文化④ー国風文化 【第12回】 琉球の歴史と文化①ーグスクの時代 【第13回】 琉球の歴史と文化②ー琉球王朝の成立 【第14回】 琉球の歴史と文化③ーアジアの中の琉球 【第15回】 まとめとテスト
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