Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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生涯発達心理学 I 新谷 和代
選択  2単位
【心理】 15-1-1360-0290-08

1. 授業の内容(Course Description)

 人の発達は、ある程度の環境が整えば、定まった方向に自然に成長したり成熟していくところが大きい一方、身長や気質など、受け継いだ遺伝子からの影響や、親が子どもをかわいがったりしつけたりする親子関係からの影響、そして成長と共に拡大する生活空間で言えば、学校文化や国の文化などからも大きな影響を受け、個人個人の発達に大きな差異(個人差)を生じさせる。また人の発達は、中年期以降、身体的な衰えは否めないものの、生活や知恵の面では発達は一生続くものと考えることができる。以上のことから本講義では、いわゆる「ヒト」としての発達(系統発生)と、人の成長に与える環境要因(個体発生)に焦点を当てながら、人の誕生から死までの生涯発達を説明していく。
 また学生諸君はこの講義を通して、自分が幼少期から歩んできた道のりを振り返ったり、青年期としての現在の自分を見つめ直したり、これから自分がどの道をどう歩んでいくかを考えることになる。このように、過去・現在・未来をひとつの連続体として考えられるようになることは、青年期の主たる発達課題の一つであり、この講義がその手助けとなればと思う。
 またこの授業は、教科書を主として発達心理学関連の研究成果を紹介するが、乳幼児を中心とした動画を見たり、関連する新聞記事なども配布して、日常生活に密着した理解ができるようにしていく。ぜひ受講してほしい。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ・生涯発達心理学についての基礎的な知識の獲得をめざす。
 ・講義を通して、青年期の発達課題のひとつである時間的展望の獲得をめざす。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 期末試験(選択肢問題と論述問題)により評価する。他、小テスト・課題・出席点などを加味する。(期末テスト70点、他小テスト等30点)

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 概ね以下のテキストにより授業を進めるが、随時他の文献なども紹介する。
 柏木惠子・古澤賴雄・宮下孝広(著)2005 『新版 発達心理学への招待』 ミネルヴァ書房

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 教科書や配布プリントをしっかり復習すること。特に、毎回行う小テストや適宜提出を求める課題は、期末テストで出題するので保存し、時折見直しておくこと。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 履修希望が多い場合は、抽選とする。初回授業に出席した学生を対象に抽選をするので、履修希望者は必ず<学生証持参>で出席すること。ない場合は抽選に参加できない。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】~【第14回】
 以下に示す『新版 発達心理学への招待』の目次を参照のこと。
  第1章 発達心理学とは
  第2章 赤ちゃんの戦略 埋め込まれた生物学的制約
  第3章 発達とは? 獲得と消失のダイナミックス そして質も量も変化する
  第4章 生涯発達にみられる一貫性と変化性
  第5章 胎児期の発達 人生のはじまり
  第6章 ヒトとして生まれて人間となる
  第7章 新しい家族の諸相、家族を創る営み
  第8章 親となること 養護性の発達と親の人格発達
  第9章 話せるようになること
  第10章 読み書きできるようになること
  第11章 対人ネットワークの形成・発達 人間の絆はどう育つか
  第12章 おとなの表情から子どもは何を知るか 表情とコミュニケーション
  第13章 他人の心がわかる
  第14章 こども同士の人間関係
  第15章 想像力 象徴機能の発達
【第15回】
 まとめ・テスト