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授業の内容(Course Description) |
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精神薬理学概論Ⅰに引き続き、薬物効果を通してみたこころのはたらきについて考えます。はじめに、「Ⅰ」で詳しく紹介した、薬物が効果を発揮するメカニズムについて簡単に紹介します。ついで、薬物乱用や薬物依存をテーマとして、薬物乱用の現状や、覚せい剤や「危険ドラッグ」などの乱用薬物のみならず、酒(アルコール)、たばこ(ニコチン)、茶(カフェイン)など嗜好品について、性差を含め、紹介します。このような「やめられない」行動は、物質使用のみならず、ギャンブルやインターネットゲームなどについても知られ、これらは「行動嗜癖」や「アディクション」と呼ばれれます。この講義の最後に、このような行動嗜癖についても取上げます。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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われわれが日常的に接している、くすりを始めとする様々な化学物質の作用についての理解を深めるとともに、これら化学物質がこころのはたらきを変化させるメカニズム、さらに、物質使用を伴わない「嗜癖的行動」について学びます。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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試験成績(85%)および出席状況・質疑内容(15%)で評価します。出席回数5回以下の者には理由の如何を問わず単位を与えません。詳細は第1回講義で説明します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献は講義内で紹介します。講義はスライドに沿って行いますが、スライドはキイとなるもののみ配布します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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嗜好品を含め、自分の身の回りにある化学物質が、自分やひとのこころにどのような影響を与えているのかを考え、授業内容をフィードバックしつつ、そのメカニズムを考える癖をつけてください。また、「やめられない行動」がどうしてできるのか、どうしてやめられないのか、考えておいてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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薬物名など細部を覚える必要はありません。「ストーリー」(話の筋道、論理展開)を追い、理解すること、またそのためのキイワード・概念を把握する努力をしてください。積極的な質問・討論を歓迎します。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション・薬理学の基礎(春学期のおさらい) 【第2回】~【第15回】 以下のテーマにつき概説する。 ・薬物乱用の歴史、現状 ・薬物依存の概念、法規制、用語解説 ・身体依存、耐性・逆耐性、検索法 ・精神依存の検索法 ・「渇望」の動物モデル ・薬物依存の脳内機序 ・行動嗜癖とは何か ・嗜癖性障害
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