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授業の内容(Course Description) |
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人の学び方には、それぞれに方法があります。知識を得たり、何かの技術を身につけたりするには、コツコツと一人で努力を重ねるという方法もよいでしょう。しかし、より多くの知識を得たり、今までとは違ったものの見方や考え方を知ったり、他の人とよりよい人間関係を築く力を得るには、個人での学習では限界があります。とくに大学での学びは、小学校から高校までに積み重ねた学習をもとにしながらも、より幅広い知識・教養や、深い専門に関する知識・技能を得るだけでなく、それらを実際の社会生活や職業生活で生かすための力を修めることが大きな目標となります。 そのためには、多くの人と積極的に関わり合いながら、自ら向上しようとする意欲と、基礎的なコミュニケーション力を身につけることが鍵となります。 この授業は、「今の大学を取り巻く社会状況はどうなっているのか」「帝京大学がめざす教育とは何か」「大学生活をどう送ることが望ましいのか」など、大学での学びの基本となる知識や、他の学生や教員、職員の方々とよりよい関係を築いていくための「人間関係力」(ラーニング・コミュニティへ参加する力)の基礎を身につけることを目標としています。 したがって、授業では、大学教育の現状、帝京大学の歴史や理念・目的、学生相互の学び合いの仕組み(これを「ピア・エデュケーション」と言います。)、国内外におけるピア・エデュケーションの歴史や制度に関する基本的知識、一般的な青年期の発達理論、などについて、講義だけでなく学生同士でのディスカッション、課題研究発表などにより学んでいきます。なお「大学概論Ⅰ」(井上)を並行して受講することでより授業内容の理解が進みます。 受講学生は、1、2年生が対象(最大50名を限度)で、第1回目の授業に最後まで参加していることが受講の必須条件です。2回目以降に参加しても受講はできませんので注意して下さい。受講者数が超過した場合は、課題レポートなどにより受講者を決定します。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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(知識・理解) 1.私(学生)は、基本的な大学教育の現状や課題について説明することができます。 2.私(学生)は、帝京大学の歴史や理念・目的、教育の特色を説明することができます。 3.私(学生)は、ピア・エデュケーションの考え方や目的、国内外における状況について説明することができます。 4.私(学生)は、前後期青年期の特徴や最近の生徒・学生の思考・行動様式について説明することができます。 5.私(学生)は、日本と欧州の高等教育システムの違いについて、その概要を説明することができます。 (関心・意欲・態度) 1.私(学生)は、ピア・エデュケーションに関心を持ち、自ら学ぼうとします。 (技能・表現) 1.私(学生)は、他者と適切なコミュニケーションをとることができます。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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①期末レポート試験 40%(学修ポートフォリオ) ②小テスト 30% ③準備学習課題 30%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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必要な資料や参考文献は、授業の中で指示します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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準備学習課題を課します。自学自習が不十分な場合、授業についていくことが難しくなります。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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①授業では、皆さんの積極的な参加(発表や質問、自主学習など)を期待しますので、それを行うだけの意欲と積極性を持って履修登録をしてください。 ②個人発表やグループディスカッションなどでパソコンを使用する場合があります。機器の準備および学内外でインターネットが使用できる環境は各自で確保して下さい。 ③高等教育開発センターで活動するSCOT(Students Consulting on Teaching)になることを希望する学生の受講を奨励します。 SCOT(スコット)とは、「高等教育開発センターに所属する、学生の視点から授業改善を行う訓練された学生」のことです。 ④遅刻はやめてください。授業途中からの参加は他の受講生の迷惑になりますし、グループ演習に参加できない場合があります。また、私語や飲食は厳に慎んでください。これは言うまでもなく、最低限の授業におけるマナーです。受講に際してとくに対応が必要な場合(病気や怪我、障害など)は遠慮なく申し出てください。 ⑤必要な資料や参考文献は授業内で配布、紹介します。 ⑥毎回、出席をとります。5回以上の欠席(公欠を除く)があった場合、期末レポート提出の資格を失うこととします。また、遅刻(授業開始時刻に着席していない)が複数回あると欠席としてカウントしますので注意してください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション 授業の到達目標、進め方、成績評価方法等、各回の授業の概要 【第2回】 学修ポートフォリオとは何か 学修ポートフォリオ作成の進め方、コンセプトマップとは 【第3回】 日本の高等教育の現状 教育の質保証、学力低下論、社会人基礎力、準備学習① 【第4回】 ヨーロッパの高等教育の現状 ボローニャプロセス、アクティブラーニングとエンプロイアビリティ、準備学習② 【第5回】 自分の大学を知る(自校教育) 帝京大学の沿革、建学の精神、理念・目的 準備学習③ 【第6回】 現代の若者像① 自分たちの世代を知る、準備学習④ 【第7回】 現代の若者像② 自分たちの世代を考える 準備学習⑤ 【第8回】 思春期と青年期① 思春期・青年期の発達と大学生活、準備学習⑥ 【第9回】 思春期と青年期② 思春期・青年期の発達と大学生活を考える、準備学習⑦ 【第10回】 大学におけるピア・エデュケーション ピア・エデュケーションの考え方、SCOTプログラム、 【第11回】 中間まとめ(これまでの学習の振り返り)準備学習⑧ 【第12回】 より良く学ぶために① 様々な教授・学習理論、ティップス先生の7つの提案、準備学習⑨ 【第13回】 より良く学ぶために② 深い学習(Deep Learning)と浅い学習の理論 準備学習⑩ 【第14回】 よい学習者となるために 演習:聴き手に求められる力-オーディエンス教育- 【第15回】 小テスト、学修ポートフォリオの提出
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