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授業の内容(Course Description) |
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地中海を中心とする広大な領域を長期に渡って支配したローマ帝国とはどのような世界だったのでしょうか。本講義では、ローマ皇帝、女性、奴隷など、この時代を生きた人々について概観した上で、彼らが社会の中でどのように繋がっていたのかについて分析していきます。 古代ローマ世界を生きた人々については、故人の生前について記された墓碑などの碑文史料、彼らの姿を描いた美術・考古学史料、家族関係などに関連する法史料など、様々な史料から彼らが生きた様子をうかがうことができます。そこで、まずこれらの史料から市井の人々の姿を再構成した上で、ローマ皇帝、都市有力者など社会の上層に生きた人々に目を向け、彼らが社会の中でどのように繋がっていたのかを見ていきます。また、皇帝の意向を反映して建てられたモニュメントを手がかりとして、皇帝たちが自らのイメージをどのように形成し、人々に伝達しようとしたのかという点からも、皇帝と市民との繋がりを考察します。これらの点からローマ皇帝という存在やローマの帝国統治についての特質を明らかにすると同時に、後世における古代ローマのイメージの利用についても考えてみたいと思います。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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・ 古代ローマ史の基礎知識を身に付ける ・ 西洋史における史料の使い方を学ぶ ・ ローマ帝国の社会構造と人的紐帯を理解する
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成績評価方法(Grading Policy) |
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・ 平常点(コメントシート、出席、授業での質問等) 60% ・ 期末試験 40%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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授業の中で適宜指示します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業後には配布した資料に再度目を通し、内容をきちんと理解した上で次回の授業に参加してください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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毎回授業の終わりには、授業内容についてのコメントシートを提出してもらいます。 その際、感想だけではなく授業で感じた疑問や質問を積極的に記入してください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 ローマ史の史料について 【第3回】 ローマ帝国の地理的枠組み 【第4回】 ローマ世界に生きた人々1 【第5回】 ローマ世界に生きた人々2 【第6回】 ローマ世界に生きた人々3 【第7回】 ローマ皇帝とは 【第8回】 皇帝の葬儀と神格化 【第9回】 皇帝とダムナティオ・メモリアエ(記憶の断罪) 【第10回】 皇帝の属州視察と帝国統治 【第11回】 皇帝・属州と都市有力者 【第12回】 エヴェルジェティズムと見世物1 【第13回】 エヴェルジェティズムと見世物2 【第14回】 ローマ世界における人の繋がり 【第15回】 まとめと試験
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