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授業の内容(Course Description) |
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日本経済論特講 IIでは、日本経済のさまざまな側面に歴史主義の観点から接近します。具体的には、太平洋戦争終結後の日本経済を対象とします。今日の日本経済はどのような過程を経て形成されたのかを講義することによって、歴史主義の分析能力と国民的課題への解決能力をもつ人材の育成を目的としますが、大学院での授業として、より高度な専門性を有する内容とします。 そうした位置づけから、日本経済論特講 IIの授業は、以下の点に重きをおきます。①今日の日本経済の国民的課題は何かという観点で過去の歴史を分析する。②日本経済は世界各国との国際関係のなかで形成されてきたことから、国際的視野をもつ日本経済分析をおこなう。③それぞれの時代にはそれぞれの国民的課題があり、その課題を解決するために経済政策が実施されたが、その政策が新たな国民的課題を作り出すことになったという歴史観で授業を組み立てる。 授業は、教室で受ける集合学習形式の授業と各自が授業時間外におこなう準備学習の2つに分かれます。準備学習では、「授業の計画」の欄にキーワードを3つ記しておきました。この3つのキーワードを事前に学習したうえで授業に臨んでください。授業では、歴史の大きな流れを把握することに力点をおきます。「私たちはどこから来てどこへ行くのか」、この問いに答えられるような授業にしたいと考えています。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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戦後の日本経済を歴史主義の観点で分析し、解決すべき国民的課題は何か、何がその原因なのか、等を自分で見つけだし、自分のことばで把握する能力を修得します。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への貢献度に加え、学期末にレポートを提出してもらいます。両者を総合して、成績評価基準にもとづいた評価をおこないます。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは使用しません。参考文献は授業中に指示します。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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7の「授業の計画」欄にキーワードを3つ記しておきました。授業がはじまる前に調べておいてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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私の講義をノートに取り、話の内容を正確に理解し文書化する能力を身につけてください。 修士論文を作成するうえでも、文書作成能力を育てることはたいへん重要です。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 経済大国への道Ⅰ―安定成長 キーワード:輸出主導、貿易摩擦、内需拡大 【第2回】 経済大国への道Ⅱ―中小企業のあたらしい動き キーワード:下請企業、中堅企業、ネットワーク 【第3回】 経済大国への道Ⅲ―バブル経済 キーワード:平成景気、財テク、金融自由化、 【第4回】 経済大国への道Ⅳ―経済のサービス化 キーワード:第3次産業、外食産業、教養娯楽産業 【第5回】 経済大国への道Ⅴ―債権大国 キーワード:プラザ合意、海外進出、円の国際化 【第6回】 経済大国への道Ⅵ―国際競争力 キーワード:機械産業、コンピューター、半導体 【第7回】 経済大国への道Ⅶ―日本企業の生産システム キーワード:トヨタの生産システム、かんばん方式、コンビニシステム、 【第8回】 経済大国への道Ⅷ―小売業の革新 キーワード:量販店、コンビニ、大店法 【第9回】 「失われた20年」Ⅰ―バブル経済の崩壊 キーワード:IT、設備投資の低迷、不良債権 【第10回】 「失われた20年」Ⅱ―財政の硬直化 キーワード:財政改革、地方財政、社会保障 【第11回】 「失われた20年」Ⅲ―情報化 キーワード:通信産業、インターネットビジネス、ネット企業 【第12回】 「失われた20年」Ⅳ―東アジアの台頭 キーワード:対アジア直接投資、水平貿易、対内直接投資 【第13回】 「失われた20年」Ⅴ―規制緩和 キーワード:規制緩和、日本型ビッグバン、ベンチャー育成 【第14回】 「失われた20年」Ⅵ―企業システムの転換 キーワード:成果主義賃金、非正規雇用、執行役員 【第15回】 「失われた20年」Ⅶ―リーマンショック キーワード:世界金融危機、円高、エコカー減税
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