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授業の内容(Course Description) |
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本授業では、地域(遠隔地域)と産業の関係を事例として、産業の本質を学ぶ。商店街、企業誘致、地域農業、石炭産業、原子力発電所、廃棄物問題などがテーマとなる。授業期間中に起きた経済・ビジネスニュースも適宜テーマに加える。これらテーマについて、その事実関係を把握し、論点を整理し、背景を考え、産業の機能・性格を理解する。 経済のグローバリゼーションが進む中で、産業は国際経済の動きと無関係では存在しえない。地域社会も、産業を通して、グローバリゼーションの影響を受けており、かつてのように、閉鎖社会の中に閉じこもることはできなくなっている。このため、産業と地域の関係は、経済のグローバリゼーションを通して、経済合理性・市場経済と地域の論理の衝突する場となっている。そこには、WTOにおける貿易自由化を巡る先進国と途上国の議論と同じ構図を見ることができる。 比較産業特論Iを履修していることが望ましいが、その履修は必須ではない。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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(1)産業に関する諸問題を多面的、国際的な視野から考える力をつける。 (2)産業に関する文献、資料、統計を理解する能力を高める。 (3)産業に関する諸問題を解決するための政策を立案する能力をつける。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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レポートにより評価される。通常の授業に取り組む姿勢、発言なども評価の対象となる。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト・参考文献は、授業の中で適宜紹介がある。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業でとりあげた問題と同じ構図をもつニュースを意識してフォローするように心がける。また、経済・ビジネスニュースを意識して視聴するように心がける。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業では、知識の説明を聴くだけではなく、教員ともに考える。積極的な態度で、授業に臨むことが期待される。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション (注:【第2回】以降の内容は、学習の進捗状況、学生の理解の程度などにより、採りあげる順番、内容を変更することがある。) 【第2回】 産業と地域の関係について考える(1):商店街の振興は可能かについて、議論の基礎となる論点を整理する。 【第3回】 産業と地域の関係について考える(2):商店街の振興は可能かについて考える。 【第4回】 産業と地域の関係について考える(3):企業誘致の効果と限界について、議論の基礎となる論点を整理する。 【第5回】 産業と地域の関係について考える(4):企業誘致の効果と限界について考える。 【第6回】 産業と地域の関係について考える(5):地域農業は生き残れるかについて、議論の基礎となる論点を整理する。 【第7回】 産業と地域の関係について考える(6):地域農業は生き残れるかについて考える。 【第8回】 産業と地域の関係について考える(7):石炭産業は何故滅び、夕張市は何故破たんしたのかについて、議論の基礎となる論点を整理する。 【第9回】 産業と地域の関係について考える(8):石炭産業は何故滅び、夕張市は何故破たんしたのかについて考える。 【第10回】 産業と地域の関係について考える(9):原子力発電所の立地を巡る利害関係について、議論の基礎となる論点を整理する。 【第11回】 産業と地域の関係について考える(10):原子力発電所の立地を巡る利害関係について考える。 【第12回】 産業と地域の関係について考える(11):授業期間中に生じた産業関係事案について、議論の基礎となる論点を整理する。 【第13回】 産業と地域の関係について考える(12):授業期間中に生じた産業関係事案を解決する政策について考える。 【第14回】 経済合理性・市場経済と地域の論理の衝突について考える。 【第15回】 総括:地域と産業の関係の一般化について考える。産業政策・通商政策を立案するための一般則を考える。
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