Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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演習 I 徳山 英邦
必修  2単位
【観光経営】 15-1-1120-4148-17A

1. 授業の内容(Course Description)

 企業は、ヒト、モノ、カネおよび情報・技術を経営資源として活動しています。そしてその活動の成果を財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書)という報告書で、外部の利害関係者に伝達しています。この科目では、財務諸表の活用方法について学修します。財務諸表を活用する代表的手法が、比較分析です。ある企業と別の企業を比較したり(企業間比較)、ある企業の現在と過去を比較して(期間比較)、その良し悪しを判断します。演習Ⅰでは、特に損益計算書と貸借対照表の理解に重点を置いて、その活用手法を学修します。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 演習Ⅰでは、財務諸表分析を通じて、企業と社会を見る眼を養うことを目標とします。具体的には、企業の事業活動、財務活動を、財務・会計の観点から捉え、分析する視点を養うこと、有価証券報告書等の電子開示システムである金融庁EDINET または企業のホームページから財務諸表を入手して、企業の財務状況における良し悪しの基礎的判断が行えるようにすることを目標にします。
 次の3点を具体的到達目標とします。
 (1)主要な財務比率の計算ができること
 (2)計算された財務比率が表す意味内容を、良し悪しと関連付けて理解できること
 (3)財務諸表分析の限界を理解できること
 また資格取得の目標として、10月に行われる全商会計実務検定試験「財務諸表分析」の合格を目指します。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業中に行う財務諸表分析の作業状況・参加姿勢(60%)、レポート等(40%)により、総合的に行います。演習科目は学生同士が学び合う側面も重要です。そのため、毎回の出席を前提として、ディスカッション等への参加姿勢も評価対象とします。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト:新田忠誓監修(2014)『全商会計実務検定試験 財務諸表分析』(五訂版)実教出版
 参考文献:森久/関利恵子/長野史麻/徳山英邦/蒋飛鴻(2015)『財務分析からの会計学』(第2版)森山書店

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 分析作業には、時間がかかります。そのため、自宅で作業することも必要で、宿題を出します。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 主体的に新聞の経済記事やテレビの経済ニュースに興味を持ってください。演習は、講義科目と異なり、授業内容を受信するだけではなく、受講者同士の受信と発信の相互作用が重要です。また演習は、受講者相互の人間関係も重要です。楽しい雰囲気を作り、生涯の友も得るように努力してください。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 ガイダンス(授業の進め方、成績評価、履修上の留意点)、学修の必要性と序論
【第2回】
 経営資源(ヒト、モノ、カネ)と利害関係者(ステークホルダー)
【第3回】
 財務諸表の作成プロセス(作成者の視点)(1)
【第4回】
 財務諸表の作成プロセス(作成者の視点)(2)
【第5回】
 財務諸表の相互関連(貸借対照表、損益計算書の意義と役割)
【第6回】
 財務諸表の相互関連(キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書の意義と役割)
【第7回】
 財務諸表の表示方法(勘定式と報告式)の雛型とその見方(ルールと要点)
【第8回】
 損益計算書と収益性分析
【第9回】
 貸借対照表と安全性分析
【第10回】
 損益計算書と貸借対照表の2つを活用する分析(1)
【第11回】
 損益計算書と貸借対照表の2つを活用する分析(2)
【第12回】
 演習(企業間比較)と分析の要点
【第13回】
 演習(期間比較)と分析の要点
【第14回】
 企業価値の分析
【第15回】
 学修内容の要約、関心企業の選定:2社