Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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憲法B 金澤  誠
教職  2単位
【教職】 15-1-1210-1952-16A

1. 授業の内容(Course Description)

 「犬も歩けば(行政)法にあたる」という言葉があります。この世の中は、法律ばかりです。道路を歩けば、道路交通法が大活躍し、大学生が、ひとり暮らしの生活をはじめると、ミンポーのテキヨーがあります。ネットのセカイに引きこもったとしても、法律と無関係ではありません。
 そうだとすると、これはもう小さな一歩でも、歩き出すしかありません。そうだ!法律の知識を「つまみ食い」して、周りに自慢しちゃおう!(きっと周りに嫌がられるけどね……)
 この講義は、日本国憲法にかんするいくつかの裁判例や制度を理解することが目的です。テキストである中村睦男編『はじめての憲法学(第2版)』(三省堂・2010年)を用いて、原則として、1回の講義で、ひとつの項目をとりあげて、それぞれのテーマの議論状況を考えます。
 そういえば、国民投票には、どんなメリットやデメリットがあるんでしょうか。原発の再稼働、消費税、沖縄の基地問題、日本の首相を、ぜーんぶ国民投票で決めないのはなぜでしょう?
 これらを、(コメンテーター・池上さんになったつもりで......)誰かに説明できる自信がありますか?さあ、フリップを作って、わかりやすい絵をかいて、実際やってみよう。そのうちに、何らかの発見があるかもしれません。テストは、そのあとのお話しということで……。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 ①憲法の分野における基礎的な知識を獲得することができる。
 ②講義でとりあげた複数の憲法判例の内容を、両当事者の主張を踏まえつつ、説明することができる(社会には、いろいろな意見があることを認識できる)。
 ③新聞や法律雑誌、さらには、ツイッター(?)などで、日々議論されている、法律問題について、法的根拠を挙げながら、批判もしくは受容できる(昨日の自分より、ほんの少しだけ新聞記事を読めるようになった気になる。世の中の怪しい(?)評論家に対して、軽いコメント【ツッコミ?】をいれられるようになる)。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 試験による評価が原則です。論述式の問題が多くなると思います。試験では、基本的な概念を正確に理解しておくことが重要となります。ただ、暗記するだけではなく、関連する学説、裁判例を踏まえて理解しておきましょう。出席状況も「考慮」することがありえます。
 場合によっては、講義中の発言による加点、レポートによる加点、中間テスト(公務員試験の過去問を用いたもの)による加点もありえます。
 最初の講義に参加して、これら(成績評価方法、試験日程、試験内容など)を確認してください。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキストとして、中村睦男編『はじめての憲法学(第3版)』(三省堂・2015年)、高橋和之編『新・判例ハンドブック 憲法』(日本評論社・2012年)
 参考文献として、芦部信喜『憲法(高橋和之補訂)(第5版)』(岩波書店・2011年)、長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿編 『憲法判例百選I II(第6版)』(有斐閣・2013年)、棟居快行・赤坂正浩・松井茂記・笹田栄司・常本照樹・市川 正人『基本的人権の事件簿(第4版)』(有斐閣・2011年)、野坂泰司『憲法基本判例を読み直す』(有斐閣・2011年)などを挙げておきます。

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 テキストの該当箇所を、可能な限り、あらかじめ読んでくることを求めたいと思います。講義が終わった後の復習もできれば、理想的です。
 資料として配布した公務員試験等の問題を、せめて解けるようになってもらいます。中間テストに連動します。もちろん、それ以上のレベルになってほしいことは、いうまでもありません。試験対策だけではない、法律科目としての面白さを、ほんのちょっとだけでも、感じ取ってくれれば、と思います。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 ①難しくいえば、社会生じている法的現象に興味を持つことが求められます。憲法(とりわけ、統治)に関する事件は、テレビや新聞などでよく報道されています。それを、自分で発見することが重要です。そういう報道を知っていると、講義や試験で、多少は余裕を持つことができるかもしれません。
 ②軽くいえば、憲法に関する知識は、最低限度のもので構いません。それよりも、想像力(妄想力?)をもって、実際にいろいろな紛争を見ていく姿勢が、何よりも重要です。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 イントロダクション(講義の進め方、前期とのつながりを考察します)
【第2回】
 経済的自由権①(法律のおかげ【せい】で、銭湯と銭湯は、隣り合うことがないんですって...じゃあ、なんでラーメン屋は、あんなにひしめきあうの?コンビニやドラック・ストアは……)
【第3回】
 経済的自由権②(酒豪のあたしとしては、お酒も最初から、ぜーんぶ自分で作りたいんだけど……日本では逮捕されちゃうってウワサが……でも、ドイツやイタリアでは……)
【第4回】
 生存権(生活保護費を用いて、預貯金をしたら、市の担当者に怒られますか?子どもの学資保険はどう?車を買ったら?クーラーは?扇風機は?)
【第5回】
 教育を受ける権利(教科書って、どうしてつまらないの?小学校の低学年とか幼稚園とかで、クリスマスに、サンタさんの正体を教えたら、パパママ、おもちゃ屋さんだって困る。。教育やしつけを、誰がどのように「どのタイミング」でおこなうかって、意外と深いね……)
【第6回】
 外国人の人権(妖怪やドラえもんには人権がないの?未来のロボットだから、選挙権はなくても、「どら焼きを食べる」権利くらいあげないと~ドラえもんの動力源は?)
【第7回】
 財産権(スカイツリーを真似して、タワー【?】の大学を建てようかと思ったら、条例で高さを制限されました!太陽【日光】って、一体誰のもの?くさーーーいゴミ屋敷に住むのって、あたしの権利の行使?)
【第8回】
 選挙権の平等・立法過程(嵐のチケットは、地方会場のほうが取りやすい?地方は当選しやすい=これって、選挙に似てるね。そもそも日本中追っかけすれば、いつでも嵐に会えるよ。法律とソーセージの似ているところは?国立国会図書館の地下って、何があるの?)
【第9回】
 立法権(①証人喚問って?②国会議員のセンセーに、名誉を棄損されたらどうなる?③二院制って何なの?国会議員って多すぎだしー、リストラしよう。④国会議員がサボったら、立法不作為っていうんだって?!サボりでもカッコいいんだね。さすが、センセー、お得な職業だね)
【第10回】
 行政権(衆議院の解散って、なんのためにある?アイドル・ジャニーズグループの解散と何が違うの?ソーリって、なんでそんなに偉いの?)
【第11回】
 司法権(裁判員制度って誰が作ったの?誰のためにある?裁判の公開って?なぜ、テレビで裁判を放映しないの?メモはとってもいい?写真はだめ?イラストはどう?)
【第12回】
 地方自治(国会議員のセンセーとは違って、○○市長は、どうしてあんなに元気なのぉ?そういえば、知事や市長は選挙で選べるけど、なんで、総理大臣は選挙で選べないの?)
【第13回】
 平和主義(日本国憲法という場合、結局は、9条論が一番モメます!そういえば、いつも朝まで討論しているひとがいますね……でも、いつも結論が出ない……)
【第14回】
 国民主権(「本当の主役は、テレビの前のあなたです」。そう、最後に決めるのは、国民です!!じゃあ、日本では、なんで「ガチ」で、国民投票しないの?)
【第15回】
 まとめにかえて