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授業の内容(Course Description) |
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後期では、福祉への社会学的アプローチの現状について、最新のトピックスに焦点を合わせて検討することにする。具体的には、Ⅰ.福祉社会学の枠組みとして、(1)福祉社会学の原理と構想、(2)福祉社会学へのさまざまなアプローチ、(3)福祉社会学の方法(量的方法、質的方法)、Ⅱ.福祉社会学の諸領域として、(1)ミクロからマクロへ、(2)ライフコース、Ⅲ.福祉政策と実践として、(1)福祉政策の原理と政策基準、(2)ケアと福祉実践、について、検討を加える。こうした試みは、福祉社会学の確立を目指すものであり、理論、実証、政策科学(規範科学)の体系化、さらに、政策のみならず、実践にも着目するものである。 本講義により、福祉研究の最前線の一端を示すことにしたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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①福祉への社会学的アプローチについて理解すること。 ②社会の一員として、福祉を考える視点を持つようにすること。 ③とりわけ、ケアと政策の在り方について理解を深めること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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成績評価は、テスト(80%)、授業参加状況(20%)による。テストでは、ノート、テキスト、配布資料を持ち込み可とする。評価においては、授業の内容を如何に理解しているか、問題関心を深めているか、という点を重視する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは、福祉社会学会編『福祉社会学ハンドブック』中央法規、2013。参考文献としては、椋野美智子、田中耕太郎『はじめての社会保障:福祉を学ぶ人へ(最新版)』有斐閣、2015。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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最初の時間に、詳細な授業の方針を示す。各自、それに基づき、福祉についての情報に関心を持って欲しい。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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新聞、雑誌、インターネットなどを通して、福祉の観点から、現代社会に興味を持って欲しい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 〈イントロダクション〉 授業のアウトラインを提示する。 【第2回】 〈福祉社会学の原理と構想〉 福祉社会学の現状について述べ、福祉レジーム、グローバル化などとの関連で検討を加える。 【第3回】 〈福祉社会学へのさまざまなアプローチⅠ〉 シティズンシップの展開、ジェンダー・アプローチの可能性などについて解説する。 【第4回】 〈福祉社会学へのさまざまなアプローチⅡ〉 生活モデルの考え方、障害学などについて、解説する。 【第5回】 〈福祉社会学の方法〉 量的方法と質的方法について、検討する。 【第6回】 〈ミクロからマクロへⅠ〉 個人・家族の福祉問題、福祉NPOなどの組織について、検討を加える。 【第7回】 〈ミクロからマクロへⅡ〉 地方分権、その福祉国家、福祉社会との関係について、明らかにする。 【第8回】 〈ライフコースⅠ〉 誕生・出産から子供の福祉、青少年をめぐる状況について、明らかにする。 【第9回】 〈ライフコースⅡ〉 女性の就労問題、ワークフェアへの着目、高齢者の福祉問題などについて、検討する。 【第10回】 〈不平等、差別、階層、貧困〉 セーフティネットの再構築、ワーキングプアの諸問題などについて、言及する。 【第11回】 〈福祉政策の原理と政策基準Ⅰ〉 計画化、負担問題、ベーシック・インカムなどについて、検討する。 【第12回】 〈福祉政策の原理と政策基準Ⅱ〉 ノーマライゼーション、自立支援などについて、検討する。 【第13回】 〈ケアと福祉実践Ⅰ〉 キュアとケアの関係、インフォーマル・ケアとフォーマル・ケアの関係について、明らかにする。 【第14回】 〈ケアと福祉実践Ⅱ〉 ケア労働はどういうものか、ケアの負担感はどういう時に増加するか、明らかにする。 【第15回】 〈まとめ〉
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