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授業の内容(Course Description) |
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※本授業は、教職関連科目である(教育職員免許法施行規則に定める「教職に関する科目」-「教育課程及び指導法に関する科目」)。
この授業では、「道徳」授業の材料となりうる事例や題材、そして授業実践の考察を通して、次の活動(=学生の主体的な学び)をコーディネートする予定である。
(1) 「道徳とは何か」「道徳は教えられるのか」といった根本問題、道徳教育の基本的課題を理解する。
(2) 学校での指導法について、学生が自ら、授業実践の場を想定した指導計画を構想する。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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①道徳教育に関わる諸事例の考察から、理論の学びへと至る過程を通して、道徳教育をめぐる問題構造を捉える。
②学校における道徳教育の特質を理解し、「道徳」の学習指導要領上の位置づけについて説明できる。
③「道徳の時間」の学習指導案を作成することができる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業参加度(リアクション・ペーパーの提出)、課題レポート(「学習指導案」の作成)、および筆記試験の成績に基づき、総合的に判断する(詳細は、第1~2回授業時・イントロダクションで提示する)。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:『中学校学習指導要領解説 道徳編』
*1 その他、授業で参考文献を提示する。授業ではプリントを配布するのでファイルを準備すること。
*2 文部科学省発行の『私たちの道徳』や中教審答申等をウェブからダウンロードしておくこと。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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①「道徳」授業の教材(道徳的課題=社会問題)となりうる読み物資料や新聞記事などを日頃からチェックし、スクラップするクセをつけること。
②授業で配布する「参考文献リスト」をもとに、本授業の内容に関連する文献を読み進めること。
③学習指導案の作成にはいろいろな文献を読み、先行事例に書き方を学ぶ必要がある(毎年、受講学生はここで苦労している)。積極的に図書館を活用し、参考文献にあたること。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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①毎回の授業でリアクション・ペーパーの作成など課題が出る。積極的に授業に参加し、自らの意見を提示しなければ成績に反映しないと心得よ。
②指導方法・技術のみを鍛えても、すぐれた道徳の授業はできない。真に授業の出来を左右するのは、授業者がもつ「教養」(知識・思考)の質である(「内容なくして方法なし」)。それを確保するためにも、読書を通した「学び」が重要である。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】
イントロダクション
―受講にあたっての注意・意識調査―
【第2回】
課題レポート(学習指導案)のテーマ・素材・提出方法
【第3回】
学習指導案の書き方
―作成項目・手順について―
【第4回】
道徳授業の記憶/「道徳」「道徳教育」の根本的検討(1)
【第5回】
学校教育における道徳教育・「道徳の時間」の位置づけ―学習指導要領を読む―
【第6回】
道徳資料の検討(1)―資料「手品師」をよむ―
【第7回】
道徳教育の根本問題
―徳目主義・心情主義を考える―
【第8回】
「道徳の時間」学習指導案・実践例の検討
【第9回】
指導方法を考える(1)
―教材解釈、生徒の実態について―
【第10回】
指導方法を考える(2)
―協同学習のあり方、実践例の検討―
【第11回】
道徳資料の検討(2)―『心のノート』をよむ―
【第12回】
道徳的課題の吟味と教材研究(2)
―情報モラル―
【第13回】
道徳的課題の吟味と教材研究(3)
―「いじめ問題」「生・死」―
【第14回】
課題レポート(学習指導案)講評・指導例発表
【第15回】
まとめと評価
(※受講生の人数や問題意識に応じて、授業内容を柔軟に変更することがある。)
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