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授業の内容(Course Description) |
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多くの大学の経済学部では1年ないし2年の時に経済史概論を学ぶようになっている。これは歴史が経済学の基礎になっているからである。 そもそも歴史研究は経済学の理論構築のために不可欠の前提であった。たとえば経済学の祖アダム・スミスの『国富論』は膨大な歴史叙述から成り立っているのは、彼が歴史研究に沈潜する中から経済学の体系を作り上げていったからである。社会科学としての経済学は、歴史研究を土台に成り立っているのである。 経済史学とは人間の経済生活の現在にいたる歩みを、経済生活そのものを成り立たせている諸要因に注目しつつ明らかにするものであり、その意味で経済学と歴史学の両方にかかわっている。経済学の体系の一部としての経済史学の独自の意義は、次の2点にある。①資本主義以前の社会の経済発展を明らかにすることで、経済・社会の発展とは何かを考える。②資本主義それ自体の歴史を検討することで、資本主義の過去と現在だけでなく、それが将来どのような方向へむかっていくのかを考える手がかりを与える。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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経済史の基本概念を身につける。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業内に行う小テストの結果や出席態度などによって総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献:老川・小笠原・中島 編『経済史』東京堂出版
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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高校の世界史の教科書などを利用してヨーロッパ史(政治史)の基本的な流れを確認しておくこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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経済史概論のIとII は、連続して取ることが望ましい。 授業を休まないようにすること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション:経済史学とは 【第2回】 封建制から資資本主義への移行 【第3回】 イギリスの絶対王政と市民革命 【第4回】 イギリスの重商主義政策 【第5回】 「まとめ」と小テスト 【第6回】 イギリス産業革命の前提:農業革命 【第7回】 イギリス産業革命の前提:国内市場の整備 【第8回】 イギリス産業革命の展開:綿工業の形成 【第9回】 イギリス産業革命の展開:諸産業への波及 【第10回】 「まとめ」と小テスト 【第11回】 「世界の工場」としてのイギリス 【第12回】 後発資本主義国の発展:ドイツ 【第13回】 後発資本主義国の発展:アメリカ 【第14回】 資本主義的世界体制の成立 【第15回】 「まとめ」と小テスト
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