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授業の内容(Course Description) |
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日本のサービス経済化は既に1970年代に達成されたと言われています。サービス産業、正確には「第三次産業」と言いますが、第三次産業とは、第一次産業と第二次産業に含まれないような産業を第三次産業としたとの経緯があります。したがって、サービス産業と一口にいっても、様々な産業が含まれ、その範囲は、第一次産業や第二次産業とは比較にならないほど広範囲にわたります。とりわけ、サービス産業は、産業ごとにさまざまな価格決定が行われているという現実が存在しています。換言すれば、第二次産業とは比較にならないほど多様な価格付けが行なわれているということを意味しているということです。 そこで、この講義では、サービス産業の経営、特に私企業の経営を理解する一環として業種ごとに異なるといっても過言ではない価格決定方法の基礎を経済理論的に平易に説明し、多くの受講生がいずれは就職するであろうサービス産業の価格付けの理解の一助にしたいと考えています。 しかしながら、本講義の理解のためには、受講に当たって経済学、特にミクロ経済学の基礎が不可欠ですが、ミクロ経済学の基礎を含めて、平易に解説するつもりです。観光に関わる産業もまたその多くはサービス産業として分類される産業が多数存在しています。サービスに関わる産業と観光に関わる産業に興味を持っている受講生の受講を期待します。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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サービス産業の広範に渡る価格付けや価格決定を理論的に学ぶことによって、サービス産業の複雑な価格決定方法が理解可能になると同時に、多くの受講生が将来就くであろうサービス産業でより良い仕事をすることが可能になること。ただし、学ぶことは、忍耐が必要だということを忘れずに受講して下さい。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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学期内に行う2回のレポートと期末に行うテストの3回のテストで評価します。ただし、2回のレポートのウェイトはそれぞれ30%、期末のテストのウエイトは40%として評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは特に用いないが、講義中にプリントを配布します。プリントは、原則として出席者のみに配布し、欠席者には配布しませんので注意してください。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業時間外の学習は、復習を必ず1時間程度することが必要です。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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可能であれば、ミクロ経済学を受講していない学生諸君は、ミクロ経済学の受講も合わせてしてほしいと思います。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 受講に当たっての諸注意と日本のサービス産業の変遷を統計的事実でみる 【第2回】 我が国の半世紀にわたるサービス産業の統計から見た変遷 【第3回】 サービス固有の性質の説明とその性質から派生する諸問題 【第4回】 サービス産業の価格決定の基礎としての需要と供給の平易な説明 【第5回】 需要関数と供給関数による価格決定の数値を用いた計算例(第1回小テスト) 【第6回】 市場構造構造別による価格決定方法の違いとその数値を用いた計算例 【第7回】 完全競争、独占、寡占、独占的競争では価格決定方法は異なるか。数値を用いた計算例 【第8回】 第一次価格の差別化の説明とその価格決定の数値を用いた計算例 【第9回】 第二次価格の差別化の説明とその価格決定の数値を用いた計算例 【第10回】 第三次価格の差別化の説明とその価格決定の数値例を用いた計算例(第2回小テスト) 【第11回】 価格差別化の応用例としてのディズニーランドの入場料金の決定方法:ディズニーランドのジレンマとは 【第12回】 価格差別化の応用例としての航空運賃の決定方法 【第13回】 2部料金制の説明とその数値を用いた計算例 【第14回】 バンドリングの平易な説明とその事例としてのファストフードのセット価格とパッケージ旅行商品の価格決定 【第15回】 春学期のまとめと期末のテスト
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