Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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教育経営論A(中・高) 浦野 東洋一
教職  2単位
【教職】 15-1-1334-0084-38A

1. 授業の内容(Course Description)

 日本は法治国家ですので、「法律にもとづく教育経営・学校経営」が原則の一つとしてあります。そこでこの授業では、関係法規を解説し、論争点を解明しながら、教育経営の諸問題について検討します。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 授業の到達目標として、学生のみなさんがテキストの『教育小六法』を使いこなせるようになることをあげたいと思います。教員採用試験を意識してのことですが、教員にならない人にとっても、市民として生活していく上できっと役に立つと思うからです。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 平常点(レポート等の提出物の評価、授業への貢献度など)50%、試験50%

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 (1)テキスト:浦野東洋一ほか編『教育小六法・2015年版』、学陽書房
 (2)参考文献:小島弘道・編『学校経営』、学文社。
        田代直人・ほか『教育の経営と制度』、ミネルヴァ書房
 (3)課題図書:後掲

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 大学設置基準第21条第2項に「1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準」とすると規定されています。この意味をよく考えてみてださい。あなたが大学生であるためには復習、予習、関連する主体的な学びが不可欠です。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 新聞や雑誌を読み、テレビの特集番組に注意し、政策動向や教育・学校の現実の問題に関心をもってください。スクラップ・ブックを作り、研究するとよいでしょう。
 *スクラップ・ブックを作成した人は、14回目の授業時に浦野に提出してください。
 15回目の授業時に返却し、「成績評価」のさい参考資料とします。
 「課題図書レポート」の作成要項
 *課題図書レポートの提出は、単位認定の条件とします。
 (1)課題図書 次の図書の中から1冊を選ぶこと(「これらに類する図書」でもよい)
 今津孝次郎『教師が育つ条件』、岩波新書/ 桜井智恵子『子ども声を社会へ』、岩波新書/ 田中宏『在日外国人[第三版]』、岩波新書/ 児美川孝一郎『キャリア教育のウソ』、ちくまプリマー新書/ 福沢諭吉『学問のすゝめ』、岩波文庫/ 近藤二郎『決定版 コルチャック先生』、平凡社ライブラリー/ 重松清『青い鳥』、新潮文庫/ 共同通信大阪社会部『大津中2 いじめ自殺』、PHP新書/ 山野良一『子どもに貧困を押しつける国・日本』、光文社新書/ 杉山春『ルポ 虐待―-大阪二児置き去り死事件』、ちくま新書/ 高橋哲哉『靖国問題』、ちくま新書
 (2)作成要項
 ①A4判、横書き、400字詰めの原稿用紙を使用すること。手書きとする(パソコンの使用は不可)。左上をホッチキスどめすること。
 ②次の構成とする。
  ・表紙・・・授業科目名、授業の曜日・時限、図書名(著者名、書名、出版社名、発行年)、提出月日、学生番号・氏名 を記載する。
  ・第1節・・・図書の内容を要約し、原稿用紙4枚にまとめる。
  ・第2節・・・図書を読んでの感想・意見を原稿用紙4枚にまとめる。
 *2冊以上読んだ人は、同じ要領で2本以上のレポートを書き、提出してください。成績評価のさい参考にします。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 オリエンテーション、学校種、学校人口、学校の設置基準、大学設置基準、学校の設置者、設置手続き、教育目的、目標(新・旧教育基本法。学校教育法の学校種ごとの規定)、大学の目的規定だけに「道徳(的)」とあるのは何故か(宿題レポート)
【第2回】
 テキスト『教育小六法』の使い方、法とは何か、法の構造、法の秩序原理、解釈の方法
【第3回】
 教育を受ける権利、就学義務、なぜ権利なのか? 4月1日生まれの意味、就学手続き(学校教育法施行令)、外国人の子どもの教育、国際教育法規範、学校教育法施行規則の一部改正(施行通知が「資料編」にある)、就学義務規定の在り方(宿題レポート)
【第4回】
 教育課程の編成、法令上の規定、学習指導要領、教科書制度、児童・生徒指導要録、成績評価基準、学校管理規則
【第5回】
 成績評価、進級・卒業の認定、義務教育学校に「留年」はあるか? 児童・生徒・学生の懲戒処分、体罰の禁止(文科省通知「資料編」にある)、出席停止の制度、ゼロ・トレランスについて(宿題レポート)
【第6回】
 学校の構造、教職員の「職」「職種」と職務規定、職員会議論、鍋蓋型からピラミッド型へ、特別権力関係論、在学契約、「すずめの学校」と「めだかの学校」、
【第7回】
 学生による「宿題レポート」のpresentation
【第8回】
 中間試験の実施(テキスト『教育小六法』、ノート、教材プリントを忘れずに持参すること)
【第9回】
 教員人事制度、県費負担教職員、校務分掌(学校教育法施行規則)、校務分掌組織、校長の職務権限と校内人事(クラス担任の変更にかかわる判例研究)
【第10回】
 学校の性格、校則問題、憲法との関係、「児童の権利宣言」から「子どもの権利条約」へ、開かれた学校づくり、学校評議員制度、学校運営協議会制度、長野県辰野高校の実践、DVDの視聴
【第11回】
 <この授業時に課題図書レポートを提出すること> 新自由主義、競争原理主義、NPM、PDCAサイクル、評価の時代、学校選択の自由、学校評価、文部科学省の全国学力テストと学校ごとの成績の公表問題、数値目標・数値による管理経営の問題、教員評価、指導力不足教員にかかわる法制度、教員の地位に関する勧告、教育委員会の評価
【第12回】
 新国家主義、教員の服務規定、職命令論、懲戒処分と分限処分、刑事罰・行政罰・民事罰、教員の処分にかかわる判例、国歌・国旗問題にかかわる判例の研究
【第13回】
 学生による「課題図書レポート」のpresentation 
【第14回】
 知る権利、情報公開、プライバシーの権利、個人情報保護、人格権、名誉棄損、著作権、学校給食と子どもの食物アレルギー
【第15回】
 期末試験、授業評価、自己評価の実施(テキスト『教育小六法』、ノート、教材プリントを忘れずに持参すること)