Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

教育相談(中・高) 中里 敦
選択  2単位
【教育】 15-1-1334-4237-02A

1. 授業の内容(Course Description)

 これまで教育相談センターのカウンセラーに始まり、小・中・高校のスクールカウンセラーとして勤務し、教員とは少し違った角度ながらも教育現場に関わって来ました。その中で見聞きしていること、感じていること、苦労、うれしかったことなどを交えながら教育相談に必要な知識をお伝えします。
 カウンセリングの技法にはさまざまなものがあります。私はブリーフセラピー(短期療法)の1つである解決志向アプローチ(問題の原因よりすでにある解決や相談者の持っている力を有効活用することを重視する方法)を軸に相談業務を行っています。とてもシンプルな技法ですが、使いこなすにはそれなりの修練が必要です。学校現場でも使いやすい技法なので、ワークなどを通してエッセンスだけも身につけてください。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

①教育相談に関する知識の大枠をつかむこと。面白い分野なので今後も勉強していくための入口にしてください。
②経験が浅い内はできるアドバイスにも限りがあり、特に自分より人生経験のある保護者との対応には苦慮することと思います。カウンセリングは万能でありませんが、カウンセリングの技術を学ぶことで、こちらに答えの準備がないことでも相談を進めていくことができるようになります。この授業だけではとても身につくものではありませんが、相談された際の指針くらいは持てるようになって欲しいと思っています。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業中に書いてもらう意見・感想と学期末のテストで評価します。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 テキスト:プリントを用意する予定です。
 参考文献:津川律子・山口義枝・北村世都 編『教育相談』弘文堂
      森俊夫・黒沢幸子『森・黒沢のワークショップで学ぶ解決志向ブリーフセラピー』ほんの森出版
       (他のものについてはその都度ご紹介します。)

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 この授業で紹介するものに限らず幅広く本を読んで、教員としての専門知識を身につけてください。また授業で学んだ態度・技術で使えそうなものは日常生活でどう使えるか試してみてください。大学を卒業してストレートに教員になるとあまり社会経験のないままずっと人に教えることになります。今のうちにさまざまな経験をして、人としての幅を広げてください。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 普段、1対1で話を聞くのが仕事なので、大勢に向かって話をすることはあまり得意ではありません。それなりの経験や想いは持っているつもりですが、伝えきれないことも多いと思います。みなさんと対話しながら授業を作って行きたいと思っているのでご協力よろしくお願いします。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 ・スクールカウンセラーとしてどのように学校に関わってきたか
 ・今後どのように授業を進めていくか
【第2回】
 ・教育相談をどのようにとらえるか
 ・教育相談に活かせるカウンセリングの考え方・技法
【第3回】
 ・カウンセリングの具体的な技法(解決志向アプローチを中心に)について
【第4回】、【第5回】
 ・話を聴くということ。生徒や保護者との面談について
【第6回】
 ・ノンバーバルな(言葉以外での)関わりについて
【第7回】
 ・特別支援について。発達障害をどうとらえるか
【第8回】~【第11回】
 ・学校で起こる諸問題について(不登校・いじめ・危機対応・虐待・摂食障害・リストカット 等)
【第12回】
 ・ストレスマネジメント
【第13回】
 ・構成的エンカウンターなどグループワークについて
【第14回】
 ・スクールカウンセラー・養護教諭・外部機関等との連携について
【第15回】
 ・まとめと評価

※初めてなので計画通りには行かないと思いますがよろしくお願いします。