Web Syllabus(講義概要)

平成27年度

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会計学特講 I 黒川 行治
選択  2単位
【経済学専攻】 15-3-1601-3882-03A

1. 授業の内容(Course Description)

 会計学の研究課題を会計情報の供給と需要に区分して説明する。会計情報の供給プロセスは、社会的選択のフェーズと私的選択のフェーズに区分できる。社会的選択のフェーズは、一般に認められた会計基準(GAAP)の設定である。私的選択のフェーズは、GAAPを所与とし、個々の会社の代替的会計方法(会計手続および見積方法)の選択である。
 研究アプローチには演繹的・規範的アプローチと実証的アプローチがある。たとえば、「退職給付債務の会計基準」の理論的研究は、社会的選択のフェーズにおける規範的・演繹的アプローチの研究事例である。
 会計情報の需要の観点では、財務情報と企業評価との関係が研究課題となる。企業評価・経営分析手法の規範的・演繹的研究と、会計情報の有用性に関する実証的研究に分類できる。
 黒川の研究論文を用いて、研究課題とアプローチを解説する。研究専門職を目指す学生を主たる対象とする講義である。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)

 研究テーマの設定、研究方法、考察方法について理解する。

3.
成績評価方法(Grading Policy)

 授業への出席と参加状況が50パーセント。毎週のレポート提出が50パーセント。

4.
テキスト・参考文献(Textbooks)

 黒川の論文(共著を含む)

5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)

 予習およびレポート作成のため、毎週5時間程度が必要である。

6.
学生への要望・その他(Class Requirements)

 この講義は「会計学特講Ⅱ」とシリーズです。

7.
授業の計画(Course Syllabus)

【第1回】
 イントロダクション
【第2回】
 「利益の質と会計社会の変容」『三田商学研究』第50巻第1号。
【第3回】
 「市場の質と会計社会の対応」『會計』第167巻第5号。
【第4回】
 「コストとベネフィットについて企業会計が測定するもの」『三田商学研究』第44巻第3号。
【第5回】
 「規範的な会計基準の存在の可能性をめぐって」『三田商学研究』第24巻第2号。
【第6回】
 「情報評価アプローチの検討」『三田商学研究』第25巻第3号。
【第7回】
 「会計情報および測定基準の検討」『三田商学研究』山桝教授追悼号。
【第8回】
 「私有公益事業の料金とインフレーション会計」『三田商学研究』第24巻第6号。
【第9回】
 「連結会計基準変更の実態」『三田商学研究』第37巻第2号。
【第10回】
 「人的資産の認識・測定」『三田商学研究』第37巻第3号。
【第11回】
 「創造会社法私案と人的資本・労務出資の会計」『會計』第155巻第3号。
【第12回】
 「企業結合とのれんの会計の検討」『會計』第152巻第4号。
【第13回】
 「見積もり計算としての会計をめぐって」『三田商学研究』第23巻第3号。
【第14回】
 「予測要素の増大がもたらす会計測定・理論への影響」『會計』第161巻第2号。
【第15回】
 「退職金債務の会計」『三田商学研究』第40巻第2号。