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授業の内容(Course Description) |
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会計学の研究課題を会計情報の供給と需要に区分して説明する。会計情報の供給プロセスは、社会的選択のフェーズと私的選択のフェーズに区分できる。社会的選択のフェーズは、一般に認められた会計基準(GAAP)の設定である。私的選択のフェーズは、GAAPを所与とし、個々の会社の代替的会計方法(会計手続および見積方法)の選択である。 研究アプローチには演繹的・規範的アプローチと実証的アプローチがある。たとえば、「退職給付債務の会計基準」の理論的研究は、社会的選択のフェーズにおける規範的・演繹的アプローチの研究事例である。 会計情報の需要の観点では、財務情報と企業評価との関係が研究課題となる。企業評価・経営分析手法の規範的・演繹的研究と、会計情報の有用性に関する実証的研究に分類できる。 黒川の研究論文を用いて、研究課題とアプローチを解説する。研究専門職を目指す学生を主たる対象とする講義である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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研究テーマの設定、研究方法、考察方法について理解する。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への出席と参加状況が50パーセント。毎週のレポート提出が50パーセント。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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黒川の論文(共著を含む)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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予習およびレポート作成のため、毎週5時間程度が必要である。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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この講義は「会計学特講Ⅱ」とシリーズです。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション 【第2回】 「利益の質と会計社会の変容」『三田商学研究』第50巻第1号。 【第3回】 「市場の質と会計社会の対応」『會計』第167巻第5号。 【第4回】 「コストとベネフィットについて企業会計が測定するもの」『三田商学研究』第44巻第3号。 【第5回】 「規範的な会計基準の存在の可能性をめぐって」『三田商学研究』第24巻第2号。 【第6回】 「情報評価アプローチの検討」『三田商学研究』第25巻第3号。 【第7回】 「会計情報および測定基準の検討」『三田商学研究』山桝教授追悼号。 【第8回】 「私有公益事業の料金とインフレーション会計」『三田商学研究』第24巻第6号。 【第9回】 「連結会計基準変更の実態」『三田商学研究』第37巻第2号。 【第10回】 「人的資産の認識・測定」『三田商学研究』第37巻第3号。 【第11回】 「創造会社法私案と人的資本・労務出資の会計」『會計』第155巻第3号。 【第12回】 「企業結合とのれんの会計の検討」『會計』第152巻第4号。 【第13回】 「見積もり計算としての会計をめぐって」『三田商学研究』第23巻第3号。 【第14回】 「予測要素の増大がもたらす会計測定・理論への影響」『會計』第161巻第2号。 【第15回】 「退職金債務の会計」『三田商学研究』第40巻第2号。
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