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授業目標 |
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燃焼反応は複雑な化学反応です。化学反応を熱力学的に理解し,実際の燃焼反応の熱量計算ができるようになることが目標です。燃焼を化学平衡,熱移動、質量流れの観点から学びます。さらに急激に燃焼がおこる爆発,予混合火炎と拡散火炎について,その理論的な扱いを学びます。
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2. |
授業概要 |
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人類が火を手にして以来,我々はさまざまな燃料を用いた燃焼反応によってエネルギーを得てきました。しかしながら,燃焼という現象が科学的に完全に解明されているとは言えません。燃焼反応は化学反応,熱移動,質量流れが相互に影響した複雑な現象です。現在,航空機のジェットエンジンや自動車のエンジンの開発では複雑な反応素過程を分解・合成した燃焼のシミュレーションが盛んに行われています。化学的,熱力学的視点から燃焼工学を議論します。燃焼工学に必要な基礎理論を学修し,さまざまな化学反応の計算ができるようになることを目指します。
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3. |
準備学習(授業時間外の学習) |
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化学1、化学2を学修しているしていることが前提となります。LMSに授業の進行にあわせて授業内容を公開します。化学反応式が理解でき,物質量を用いた様々な化学反応の計算ができるようになっておくことが必要です。熱化学方程式をたて,反応による熱量計算ができるようになるために,予習と復習をしっかり行ってください。LMSを使って課題を出しますので,自力で解答してください。
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4. |
授業計画 |
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燃焼過程を化学反応として捕らえ,15回の講義で基礎的な理解を深めます。
【第1回】 燃焼に関する最近のトピックス 最新の燃焼研究でおこなわれているトピックス 【第2回】 化学熱力学1(Chemical Thermodynamics1) 燃焼の化学反応,反応熱,生成熱について 【第3回】 化学熱力学2 熱力学第1法則,JANNAF Tableの使い方 【第4回】 化学熱力学3 断熱火炎温度の求め方 【第5回】 化学熱力学4 当量比、熱力学第2法則について 【第6回】 化学熱力学5 自由エネルギーと平衡定数について(1) 【第7回】 化学熱力学6 自由エネルギーと平衡定数について(2) 【第8回】 反応速度論(Chemical Kinetics) 化学反応の速さ、律速過程について 【第9回】 予混合火炎1(Premixed Flames1) ランキン・ウゴニオの式について 【第10回】 予混合火炎2 デトネーション,デフラグレーションについて 【第11回】 予混合火炎3 火炎の構造および熱理論について 【第12回】 着火(Ignition) 着火について 【第13回】 拡散火炎1(Diffusion Flames1) 燃料・空気・燃焼生成物の拡散について 【第14回】 拡散火炎2 火炎の長さについて 【第15回】 まとめと期末試験
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5. |
成績評価の方法、基準 |
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燃焼の化学反応を理解し,熱力学に基づいた熱量計算ができるようになることが重要です。中間試験と期末試験を実施します。成績評価は中間試験(30%)と期末試験(70%)を合わせて評価します。
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使用テキスト及び使用教材 |
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参考書 1.W.C. Strahle 「AN INTRODUCTION TO COMBUSTION」 Gordon &Breach Science Publisher (1998) 2.水谷幸夫 著「燃焼工学」森北出版 3200円
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7. |
その他 |
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参考資料(熱力学データベースJANAAF表)を配布します。LMSに授業内容と参考資料を公開しますので,ノートの整理に活用してください。小テストの解答もLMSを使って行います。
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